年賀状を出すのをやめてみた

今年の年末も、郵便局には多くの車が停まり、ちょっとした渋滞ができている。年賀状の投函のためである。ちょっと前までは私もその列に並んでいたが、今年は(から)年賀状を送るのをやめてみた。
実はけっこう直前まで出すか出さまいか迷っていたのだが、意を決して(客観的に見ればそれほどのことでもないのだが)やめてみることに決めた。
 
日本にはまだまだ虚礼が多く、年賀状はその際たるものだとずっと思ってきた(ちなみにうちの会社では、バレンタインデーの義理チョコは今年から禁止にした)。あわせて、年賀状を出すということは時間のコストをかなり使う。要は時間を使う割に、リターンがほとんどない、コスパが悪い典型例なのである。
それでも止められなかったのは、同調圧力なのか、敗者のゲームを戦わされてきたのか、今となってはなぜだかよくわからないが、そのゲームから抜けてみることに決めたのである(繰り返すが、客観的に見ればそれほどのことでもない、のはわかっている)。
 
さて、年賀状の何が大変かというと、リストの整理と裏書きの作成に大別できる。
 
まずはリストの整理だが、今年は誰から来てたかを確認して、来年は誰に送ろうかという選別作業。誰から来たかの確認作業を年末にやるとそれこそ面倒くさいので、最近は年初に整理していたが、それはそれで時間を使う。喪中はがきも整理しないといけないし、住所が変わっているのを更新したりする作業も含む。そして年末には、今年来なかったから来年は出すのをやめようとか、これまで出してなかったけど来たから来年は出そうかとか、の選別作業が必要になる。これもある程度機械的にやるのだが、AIがやってくれたら楽だろうな、なんて思ってしまう。
 
リストができたら裏書きの作成である。まず、年賀状印刷をやっている印刷会社のウェブページからデザインの良さそうレイアウトを選択する。これはこれでなかなか楽しいだが、複数の候補から1つに絞るのになんだかんだでけっこう時間を使ってしまう。次に、そのレイアウトに当てはめる写真の選択。子どもができるまではデザインのみで出していたが、娘が生まれてからはせっかくだからということで写真を選んできた。これも1年を振り返るという意味では楽しいのだが、まずはお気に入りを選び、さらにそこから1~2枚に絞るという作業はこれまた時間を使う。
ここまでできれば、あとは住所録のエクセルを印刷会社に送って完了。投函もその会社からしてもらうので、ここで終わりである。
 
思い出すと、年賀状の作業は省力化、アウトソーシング化をしてきたので、昔に比べると最近はそれでも楽になっていた。
10年くらい前までは、年賀状を買ってきて、宛名を手書きして裏に一言を書いて送ってきた。印刷会社のサービスを使うようになってからもデザインのみの活用で宛名書きと一言書きはやっていた。数年前からは宛名書きのサービスも活用しはじめ、ここ2~3年は一言書くのもやめたので投函も印刷会社から直接やってもらうようになっていた。
といろいろと策は駆使してきたが、今回いよいよ満を持して、年賀状自体をやめるという決断至ったわけである(繰り返すが、…以下省略)。
 
以上のように、年賀状の何が大変なのかを整理してみたのだが、実は一番負担になっていたのは、年賀状のことが頭から離れないということだと思っている。毎年、11月下旬から12月のはじめごろ、クリスマス商戦がはじまるころに、「今年も年賀状を出さないと」と憂鬱な気持ちになる。と思いながらも、上記のとおり時間がかかる作業なので、まとまった時間がないとできないとなり、結局年末までやらないので、この憂鬱な気持ちが1ヶ月近く続く。折に触れて、この憂鬱な気持ちになり、頭から離れないという負担が大きなコストだったのである。
 
おそらく年賀状を出さなくても何の問題もないはずである。問題があれば復活させればいいが、おそらく問題は出てこない。なぜなら虚礼だからである。実はまだ少しモヤモヤしているのだけど、来年の今ごろはなんでもっと早く実行に移さなかったのだろう、と思っているはずだ。そして来年からは(おそらく復活はしないだろうから)もっと生産的な年末を過ごせるものと期待している。
 
ということで、もう年賀状には戻らないぞと、決意を新たにした大晦日の話でした。
良いお年を!