インフルエンザに見る決定論と確率論

この時期になると、インフルエンザに罹患する人が増えてくる。
今シーズンからは、うちの会社ではインフルエンザ予防接種の費用を負担することにしたが、それでも受けない人は受けない。
その理由を聞くと、「受けなくてもかからない」と「受けてもかかる」の2つを言ってくる人が多い
 
予防接種の有無と罹患の有無については以下の4パターンがある
予防接種を受ける→インフルエンザにかからず
予防接種を受ける→インフルエンザにかかる
予防接種を受けない→インフルエンザにかからず
予防接種を受けない→インフルエンザにかかる
 
ただ、大抵の人は因果関係が1対1対応する決定論的な考え方をしてしまうので、受けなくてもかからない、受けてもかかる、という「例外」が存在すると、予防接種自体が意味がないと極端に考えてしまうのである。
しかし、予防接種と罹患の関係は決定論的にはならず、確率論の問題である。予防接種すればかかる可能性が低くなる(もしく症状が緩和される)というだけのことだ。
(インフルエンザの場合、誰かがかかると周りにうつす可能性も高まることから、発症の可能性を下げることは重要で、多くの人が予防接種を受ければ受けるほど効果があるが、このあたりも理解もされにくい。)
 
なので、インフルエンザの予防接種に関して、「受けなくてもかからない」と「受けてもかかる」などと言う人は、確率論的な考え方ができません、と言っているようなものなので、面倒くさいとか注射が嫌いとか言っておいたほうがよっぽどいい。
 
結局、確率論の話を滔々と説明しても、それでも予防接種を受けない人は受けないのだろう。
とはいえ、会社としてはインフルエンザが蔓延すると被害も大きくなるので、予防接種の接種率を上げる方法は引き続き考えてみたい。