ホテルレビュー「OMO7大阪by星野リゾート」

昨日に引き続き、ホテルネタ。
出張で大阪に来ているのだが、今回は星野リゾートのOMO7大阪に宿泊。
ビジネスホテルではないのだが、前泊で時間があるのと、宿泊料金もそこまで高くなかったのでチョイスしてみた。
 
星野リゾートは新婚旅行で軽井沢の星のやに行って以来、いろいろと巡っている。
接客についてはたしかにすばらしいとは思うが、それよりもどこに行っても世界観のつくりこみがすごいなと感じており、これまでいくつか宿泊してきた。
どこもコンセプトがしっかりしており、それを維持することの大切さと大変さと感じている。
 
その星野リゾートの中でもOMOブランドは、星のやや界といった温泉旅館ではなく、都市型ホテル。加えて、OMOの後についている番号は、サービスのレベルのようなものを指しており、大阪のOMO7はフルサービスのホテルとのこと。
新今宮という大阪でもディープな立地に建てられたホテルということで、開業前から話題になっていて気になっていたのだが、今回はじめて訪れることができた。
 
星野リゾートに来ると毎度感心するのがその世界観なのだが、何がそれをつくっているのか、私なりに考えてみたところ、高低差、余白、ライティングのうまさにあるのではないかと感じた。
 
1つめの高低差について。
これまでいくつかの星野リゾートの施設を訪れてきたが、立地や高低差と活かした空間づくりがうまい。
このOMO7大阪も新今宮の駅から見て徐々に高くなっていて、その高いほうに宿泊棟がある。ロビーやレストランあるフロアが2階になっていて、そこまで傾斜があるつくりになっている。
もともと傾斜があったの、あえてつけたのかはわからないが、その傾斜に異なるタイプの机やいす、ソファがならべられており、そこでくつろぐことができる設計。高低差をうまくつかって、日常を忘れることができるスペースをつくりだしている。
 
2つめの余白について。
OMO7大阪でいえば、宿泊棟までの傾斜に芝生の広場がつくられている。ここなんて、何かつくってしまいたい衝動に駆られそうだが、あえてそうしていないのがわかる。
昨年行った由布院の界では、田んぼが広がっており、ここに宿泊棟でも建てればより多くの宿泊者を集めることができるだろうが、こちらもあえてそうしていない。
一見、無駄というか贅沢というか、そういった余白になる空間を設けることで、なんとも言えない世界観をつくりだしている。
 
3つめがライティング。
どの星野リゾートの施設でもちょっと暗めのライティング。これはおそらく2つの効果があると思われる。1つが幻想的な雰囲気をつくることができること。もう1つが、気をつけないと転んでしまいそうな、ちょっとした緊張感を生み出す効果。カップルであっても、子連れのファミリーであっても、ちょっと距離が縮まるようなそんな演出をライティングがしているように感じる。
 
そんなこんなで、今回のOMO7大阪も世界観のつくりこみがさすがと感じた。
大学のときに受講した授業で、佐藤雅彦氏がトーン(世界観)が大事というメッセージを発していたが、まさにそれを実感する。
いざ、自分がその世界観をどうつくるかとなると非常に難しいのだが、こうやってたまには自分がいいと思う世界観に浸って、何かを吸収をしたいと思う。
 
ということで、OMO7大阪は、さすが星野リゾートという空間を提供していた、という話でした。