台風に対する学校の対応の変化

台風11号が日本列島に接近してきている。
大型でかなり強い台風ということで、うちの娘の学校は前日の午前中の段階で、早くも今日9月6日の休校が決まった。
どうやら市内一斉休校とのことで、この判断自体はやむなしかなと思っている。
 
一方で、私の子どものころは、台風で休校になるようなことはほとんどなかった。少々雨が降ろうが、風が吹こうが、簡単には学校は休みならなかった。
今回の休校措置を見ると、30~40年前に比べると、だいぶ学校側のスタンスも変わってきているように感じた。
 
少なくとも、昔(私が子どものころ)だったら、前日に休校の判断はせずに、当日判断としていただろう。で、万が一休校の場合は、連絡網に沿って、家の電話で伝言ゲームをすることになったと思われるが、今であれば、メールでもLINEでも一斉に通知できるしくみもあるのだから、判断を直前まで引っ張ればいいと思うのだが、そうはしない。
 
なぜ、そのような対応をしないのだろうか。考えてみた結果、3つの理由が思い浮かんだ。
 
1つめは、純粋に安全に対する意識が高まっているということ。悪く言えば、安全配慮に欠けたと非難されないようにしているとも言える。
工場運営における安全意識も数十年前に比べるとだいぶ高くなってきているが、これは学校の現場においてもそうなのだろう。昔なら許容されていたことも、今では許されないことが多いように感じる。
予測された天候不順に対して、通常通り通学させてとして、何か事故が起こる可能性はそれほど高くないと思われるが、1件でも事故が起きれば、学校ないしは教育委員会の責任になる。それを回避するためには、より安全に寄った判断になるのはやむを得ないだろう。
 
これだけの理由であれば、前日に判断せず、当日の直前の判断でもかまわないと思われるが、前日(しかも早い段階)での判断が必要である理由があとの2つである。
 
2つめの理由は、直前での判断となると、それほど雨風が強くないということも考えられ、この場合判断に悩むことになるから。
こういった台風の予報では、強い雨風の映像のニュースが入ってくるので、これが自分たちの地域に来たら大変だと思うが、これがちょっとずれるだけで雨風がほとんどなかったなんてことはよくある。
当日の朝になって、まったく雨風がなければ判断は簡単だが、これが微妙だった場合、判断に悩むことになる。普段なら登校できるくらいのちょっと強い雨くらいであっても、突風が吹いて怪我でもあれば、学校の責任になってしまう。こういった微妙な判断になると困るので、早めに判断したほうがいいとなる。
 
3つめの理由は、親の働き方なども多様化していて、事前に決めてもらわないと対応できないケースが増えているから。
私が子どものころは、父親が働きに出かけ、母親は基本家にいるというスタイルが一般的だったので、直前で休校かどうかの判断をしても大きな影響がなかったが、現代では親の働き方も多様化しており、直前に休校と言われたのでは対応できない家庭も増えているだろう。
そういったケースに配慮しないとクレームも多くなることが予想され、前日の早めに判断をして連絡する、ということになっていると考える。
 
この件に限らずだが、学校の対応は昔に比べて、より保守的というか安全寄りになっている。
それがいいとか悪いとか言いたいわけではなく、まあ仕方ないよな、と思った次第である。
 
ということで、台風で娘の小学校が休校になった、という話でした。