展示会を活用した就職活動戦略

先日採用支援会社の方と話していて、面白い話を聞いた。
その方は学生への就職支援的なこともされているのだが、うちの会社が毎年展示会に出展しているという話の流れで、学生には就活フェアに行くくらいなら、企業がビジネスで出展する展示会に顔を出したほうがいい、と言っているとのことだった。
 
この話を聞いて、これは面白いなと思ったし、その発想はなかった。
学生が展示会に行くことのメリットは大きい。パッと思いつくだけでも3つはある。
 
1つは、格好の企業研究になること。
企業が展示会に出展する場合、最新の製品やサービスを紹介することになる。どういった分野に進出しようとしているのかなど、最先端の情報が出ているはずである。志望会社があるのであれば、そこのブースに立ち寄って話を聞くだけで、得られるものは大きいのではないだろうか。
ついてでに業界研究もできる。基本的に、展示会には同じ業界の企業が出展していることが多いので、志望企業の競合会社も含めて研究できる。ある業界に興味があるのなら、そこに出展している企業をすべて回ることも可能である。
 
2つめは、ブース訪問が面接の準備や練習になること。
学生が展示会のブースを訪問する場合、勉強のために来ましたという体裁になると思うが、そこでの会話が面接の準備になり、さらには練習にもなる。
なぜこの企業を志望するのか整理する場になり、場合によっては志望理由を聞いてもらえるかもしれない。
そこでの会話は相当緊張するだろうが、失敗しても大きな問題にはならない。しかも、企業側の人たちも、自分たちが売り込みで来ているので、基本的にやさしい。いきなり本番で採用面接挑むのではなく、展示会でワンクッション入れておくことで、だいぶ心の余裕もできるのではないだろうか。
 
3つめは、あわよくば、顔と名前を覚えてもらえること。
最後は採用に直接つながる可能性もあるということ。この売り手市場の採用環境で、学生が展示会のブースを訪問してくれることは、基本的にうれしいはずである。さらに2~3回訪問できれば、名前を覚えてもらえる可能性はグンと上がる。とくに大企業であれば、これだけで採用ということにはならないだろうが、それでも多少有利に運ぶ確率は上がると思われる。
 
デメリットとしてはコスト面が挙げられるが、少々費用がかかったとしても十分に元が取れると思う。
ただ、地方の学生にとっては不利である。交通費や宿泊費はバカにならない。とはいえ、近隣地域で開催されている展示会もあるので、自分の住んでいる地域の近くでやっている展示会を探して、行ってみるのは悪くないと思う。
 
こんな感じで、多少お金と時間はかかるが、ここでうまくいけば名前を覚えておらえるし、逆に少々失敗しても覚えられることはないので、いわばノーリスクハイリターンの作戦と言える。
これから就活をはじめる学生がいたら勧めてみたいと思う(就活終わった学生が行ってみてもいいと思う)。
 
ということで、就活生は就職フェア以外の企業展示会に行くべし、という話でした。