ジャパネットたかたに見る「お祭り感」の醸成の仕方

最近、私のTwitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきた。
 

 

最近娘(5歳)の影響で、テレビよりもYouTubeのほうが圧倒的に利用時間が長い我が家なので、このツイート見て、ほんとそうだよなあと感じた。
私自身も、テレビで見る番組といったら、スポーツやM-1のようなお笑いの賞レースといったリアルタイムでないといけないものがメインで、あとはTVerで見逃し配信をやっていない一部の番組が週に1回あるかないかくらいである。
子どもたちに関しても、朝は時間がわからなくなるのでYouTubeは禁止していて、Eテレテレビ東京系の「シナぷしゅ」を見ているが、これも今現在の時間がわかるという点で、リアルタイムであることに意味があるのかもしれない。
 
なんてことを思いながら、休日の午前中、息子(8ヶ月)をあやすのにテレビでYouTubeを見ようと、スイッチをオンにした。
YouTubeに接続するつもりだったのが、何の気なしにザッピングしてみたところ、ジャパネットたかたのテレビショッピングが放送されていた。
 
ジャパネットたかたは、独身のとき暇な時間には、たまにを見ることがよくあった。
扱っている商品に多少興味があったということもあるが、MCのトーク力だけではなく、どの順番で説明していくかなど、マーケティングのセオリーと照らし合わせながら見ると勉強になることが多かったからだ。
 
このときはちょうどケルヒャーの高温スチームの説明していて、ちょっと前に風呂の掃除をした自分としては興味があったので、ちょっと見てみることにした。
この商品自体も多少惹かれはしたのだが、それ以上に、ちょっと見ない間に番組自体の改善がいろいろとなされていることに驚いた。
 
一番の改善点だと感じたのは、電話の待ち人数がリアルタイムで表示されること。
これを見て、すぐに冒頭の「お祭り感」が醸成されていると感じた。
ジャパネットたかたというテレビショッピングの番組は、国民の大多数が同じ時間に見るという番組ではないが、少なくともこれを見ている人がけっこういて、そして自分と同じように買おうとしている人がこれだけいるんだ、ということが可視化されているのである。
これこそ、「今この瞬間、みんなと同じものを見てる」というお祭り感、だと感じたし、ジャパネットたかたはそれを意図的につくりこもうしている姿勢を感じた。
 
ぱっとこの待ち人数の表示だけ見ると、電話待ちしている人をインターネットに誘導するための施策のように思える。
その意図もあるだろうが、そもそも電話の待ち時間が長いからという理由でインターネットにするような人は、はじめからインターネットでアクセスしているはずである。
もともと、ジャパネットたかたのターゲットはインターネットを駆使できる層ではなく、比較的高齢でインターネットには疎い層が中心だ。
そう考えると、この待ち人数の表示というのは、同じ時間に同じものを買おうとしている人がいるという安心感と自分もその購買に参加している(もしくは参加しようとしている)高揚感を醸成するためにやっているのである。
 
この待ち人数の表示にあわせて、MCが「待ち時間は1分半から2分程度です。インターネットからもアクセスできるのでQRコードを読み取ってアクセスしてください」とアナウンスをする。
これもインターネットの誘導が目的というよりも、それくらいの待ち時間なら待てるなというストレスの軽減が目的だと思われる。
安心感と高揚感があっても、さすがに30分も待たされたのでは、また30分くらい待たされるのではないかという疑念を思っていては、買い物自体をやめようと思ってしまうリスクが高い。ここをきちんと抑えているのである。
 
とこんな感じで、何も大型番組でなくても、テレビの特性を活かして、「今この瞬間、みんなと同じものを見てる」という空気をつくることができ、またそれを(おそらく)販売増につなげていることに感服した。
 
ジャパネットたかたは、経営者が交代してからも業績は順調だということだが、こういった改善を各現場で繰り返しているからこそ、強い会社になっているんだろうなと想像する。
最近テレビを見る機会はかなり減っているが、ジャパネットたかたのテレビショッピングは定期的にウォッチしていきたいと思った次第である。
 
ということで、ジャパネットのテレビショッピングを見ながら、うちの会社でも改善をもっと早いスピードで行っていかなければいけないなと反省した、という話でした。