自分自身が「努力の娯楽化」できたもの

「努力の娯楽化」という概念は、経営学者の楠木建先生が提唱したもので、まわりから見たらすごい努力をしているようでも、当の本人から好きでやっている状態のことをいう。
努力を娯楽化できれば、無理なく継続できることができ、成果にもつながりやすいという理屈である。
 
これは本当にそのとおりだと思うのだが、娯楽化に至る過程においては、必ずしも最初の一歩が「好き」からはじまったものだけではなく、最初に「できる」があってそこから「好き」になったものもあると感じている。
最初は好きではなかったのだが、なんとなく好きになりたいなと思って継続することで、結果として好きになってたという類のものである。
自分自身振り返ってみて、この過程を経ての努力の娯楽化できたものがいくつかあることに気づいたので、ここでまとめてみたい。
 

読書

本を読む、という人は意外に少ない。
私は今では年に100冊以上は読むのだが(最近はAudiobookで聞くということも多い)、まわりで読む人が少ないので、まわりからは本をよく読む人と認識され、よくそんなに読めるね、などと言われることがある。
しかし、こちらとしては、本を読むこと自体はまったく苦痛ではないので、まさに努力の娯楽化している分野と言える。
 
しかし、私も子どものころは本を読むのは苦手だった。
なんとなく、本をたくさん読む人はかっこいいなというイメージはもっていたし、自分もそうなりたいと思っていたが、学生のころまではいざ読むと億劫になり、課題などで無理やり読むことはあっても、自分で率先して読むという感じではなかった。
 
そんな私が本を読むようになったきっかけは満員電車だった。
前職時代、乗車率で3本の指に入ると言われていた、東京メトロ東西線で通っていたので、この満員電車の苦痛を少しでも和らげたいといろいろと工夫してみた結果、行き着いたのが読書だった。
本は比較的コンパクトで、座席の近くのポジションに立つことができれば、その空間を使って読むことができたので、そこから自然と読む冊数は増えていった。
薄い本であれば、行き帰りの通勤で1冊読むことができ、どんどん読むのが苦痛ではなくなった。
今だったらスマホがあって、時間潰しには事欠かないので、本を読むという習慣は身につかなっただろう。
満員電車は苦痛ではあったし、もうあの世界に戻りたいとは思わないけれど、それでもあの時期があったから、本を読むようになったのは間違いなく、それはそれでありがたいことだと感じている。
 
地元に戻ってからは、電車通勤ではなく車での通勤になったので、本を読む時間が減ったのだが、最近ではAudiobookも活用しながら、読書量をキープしている。
 

ランニング/ウォーキング

走ることを習慣化したいと思っている人は多いと思う。
私もそんな一人で、何度も挑戦してみた。
大学院に行っていたころは、ランニングブームもあり、まわりの同級生を誘って、マラソンや駅伝の大会に参加してみたりもした。
ただ、それでも走ること自体は苦痛で、楽しみで仕方ないという感じではなかった。
その後も、何度かブーム的なものが訪れ、その都度走ったりしていたのだが、習慣化そして娯楽化することはなかった。
 
そんな私にとって、ランニングやウォーキングが娯楽化したのはここ最近である。
それまでは、走るか走らないかどうしようか考えて、半ば無理やり走りに行こうとやっていたのだが、結婚・出産後、1人になる時間が少なくなり、走りながらAudiobookで耳学習したり、考えごとをしていいアイデアが出たりしだしたことで、貴重な時間の使い方ができる感じ出した。
それ以来、できれば走りにいきたいと思うようになり、今では飲みすぎたり、雨が降っている日以外は、毎朝走ったり散歩したりしている。
直近は下の子が生まれたばかりで、朝起きたときにぐずっていうるとあやしたりして、なかなか出かけることができないでいるのが少し不満だが、もう少し時間が経てば、その子を連れて朝の散歩に出かけようと思っている。
 

土日の仕事

私は土日のどちらかは、午前中に近くにスタバに行って、仕事をするようにしている。
仕事と言っても、何か作業をするというよりは、その週の振り返りをしたり、次の週の予定を確認したり、ブログを書いたりしている。
こういう時間は積極的にとりたいと思っていて、むしろもっと増やしたいくらいなのだが、家族サービスもしないといけないので、妻にもお願いして土日のどちらかの時間を充てている。
当の本人としてはやりたくてやっていることだが、たまにまわりから、土日も仕事をしてすごいねと言われることがあり、これも努力の娯楽化に近いのかなと思ったというわけである。
 
こういった時間を取りたいと思うようになったのは、やはり結婚・出産後で、自分一人の時間をどう確保するかは大きな課題なのだと思う。
今現在、下の子が生まれたばかりで、この土日に一人で仕事(というか考えごと)をする時間のつくるが難しくなりそうだが、工夫しながら確保していきたいと思っている。
 
その他にも、最近になってサウナにハマったり、娘とキャンプに行ってボーッと焚き火を眺めたりするのが貴重な時間だなと思うようになったが、これはちょっと努力とは言えそうにないので、ここでは割愛したい。
 
ということで、けっこう「努力の娯楽化」の境地に達しているものもあるなという話でした。