経営者の3つの役割

今日、2018年2月22日をもって、私は会社の代表取締役社長に就任した。
経営者になるにあたって、伊丹敬之著「よき経営者の姿」で経営者の3つの役割が紹介されていることを思い出した(伊丹先生の著書はいろいろ読んだが、とくに「経営戦略の論理」には大学院時代大変お世話になりました)。
 
その3つの役割とは、以下の3つである。
1.リーダー
2.代表者
3.設計者
 
1のリーダーとは「人についていこうと思わせ、そして彼らをまとめる属人的影響力」と定義されており、その条件として「人格的魅力」と「ぶれない」決断が挙げられている。
このリーダーという役割に関しては、自分で人格的魅力がある人間ではないことは自覚しているので、ここで紹介されているようにぶれない決断をすることによって、その魅力を高めていくしかないな、と感じている。またより多くの時間社内のメンバーと会話することで信頼関係も強くなっていくだろう。
 
2の代表者については、組織の三角形の頂点に位置し、かつその頂点で社会と一人で向き合う、という2つの側面があるとし、その条件として「総合判断の結果への責任感」と「社会に対して申し開きのできる倫理観」が挙げられている。
要するに覚悟をもって経営にあたれ、というメッセージであるが、もう少し代表者として役割として卑近な例を挙げると、外部の方との会食やゴルフなどのおつきあいがある。相手によっては社長が出ていかないと失礼という局面も多い。だが、私はこれが苦手である。いや、飲むのも好きだし、ゴルフ自体も嫌いではない。ただ、少々人見知りなのである。なので、慣れ親しんだ少人数の会合であればまったく問題ないのだが、人数が多かったり新しい会合だったりすると、億劫に感じてしまうのである。
 
3の設計者に関しては、「企業全体の方向性を決める」「資源の配分の基本枠を決める」「組織の構造と管理の仕組みの基本を決める」「その仕事の仕組みの中での人の配置を考える」という4つが挙げられ、条件として戦略眼と組織観が重要であると記されている。
3つ役割の中では自分の得意分野だと思っているし、こういったことを考えるのは好きだと自覚している(「経営者の仕事は本を読むことである」なんてタイトルにするぐらいだから、本を読むのは好きだし、実際本を読んでいるときにいいアイデアが思い浮かぶことは多い)。正直言えば、いつも本を読んでそこからインスピレーションを受けて戦略を考えることをしていたいくらいである。
 
以上が伊丹先生の言うところの経営者の3つの役割とそれに対する私のスタンスなのだが、これから経営者としてやっていくにあたって、この3つの役割に対しどのような時間配分をすればいいのか、少々悩んでいる。
内向的な自分としては、また自分の好みだけで言えば、設計者、リーダー、代表者の順で時間を使いたいな、漠然と思っているのだが、良い業績を出し続ける、会社を成長させ続ける、といったことを目的関数においたとき、本当にそれでいいのか確信がない。より多くの人と会って話をすることが大事なのではないかと思ってしまう。
また、家族との時間も大切にしなければならない中で、その時間も加えて配分を自分で意識しておかないと、まわりの人から言われたままの時間配分になってしまいそうであるという危惧もある。
 
そんなこんなで、まずは会社のリーダーであるより先に、自分が自分自身のリーダーであるために、自分の時間という最大の資源をどう配分するか、ぶれずに決断できるようになりたいと思った、経営者初日でした。