日本のメダル獲得の可能性が高い競技は前半戦に集中している

オリンピックが始まって1週間、この週末で折返しとなる。約2週間という期間は短く、始まってしまうとあっという間に終わってしまう。
 
ほぼ半分が終わった30日時点で、日本の金メダル数は17個と、国別では2位、そして日本勢として過去最多を更新したようである。前半戦だけで過去最多ということで、これはすごいことであるのだが、後半戦でも同じようなメダル数になるかというと、それほど増えてはこないだろう。
 
なぜなら、オリンピックの日程上、日本勢の得意競技は前半に集中しているから。とくに毎回メダルが期待できる、柔道、体操、競泳あたりはすべて前半にある。
 
まずは柔道。毎回そうだが、開会式翌日から始まって前半戦で終わりになる。
ちなみに同ジャンルのレスリングは後半で、柔道が終わったらレスリングがはじまる。レスリングも日本はまあまあ強いが、メダルの期待度から言えば柔道のほうが上だろう。
柔道は個人種目で階級ごとに分かれているので、ここでメダルラッシュが期待できる。
今回も期待以上の結果を残しており、まだ団体が残っているが、個人種目で金メダル9個、総数で11個と、日本勢のメダルの大半はここで稼いでいる。
 
次に体操。団体、個人総合、個人種目別とあり、個人種目別は若干後半にかかるが、基本的には前半にスケジュールされている競技と言っていいだろう。
こちらも日本は伝統的に強い。男子は今回も団体で銀、個人総合で銀と期待どおりの成果をあげている。まだこれから個人種目別があるので、加算されるだろう。
前回の東京オリンピックのころからロサンゼルスオリンピックのころまでは、体操もお家芸と言っていいくらいの圧倒的な強さを誇っていた。その後は浮き沈みはあったものの、最近は内村航平選手などの活躍もあり、再び世界のトップを狙える位置につけている。
 
あとは競泳。2年前の大河ドラマ「いだてん」でも、競泳チームはクローズアップされていたが、これも日本は強い。
基本的に個人競技なので種目も多く、波に乗るとメダルラッシュに沸く。一方で個人種目であってもチーム種目的な要素も強いらしく、波に乗れないとメダルの数も少なくなる。
今回は、大橋悠依選手の2冠はあったものの、開催前に期待されていた選手の活躍はあまり見られず、思ったようにはメダル数を伸ばせない大会になった。
 
この日本の得意な3競技が前半にあることもあり、メダルの獲得はどうしても前半型になってしまう。
今回はこの3競技の種目に加えて、ソフトボール女子、卓球の男女混合ダブルス、スケートボードで2個、フェンシング男子エペ団体で金メダルを獲得している。
 
では、後半戦はどうかというと、日本は後半のメインの陸上が基本的にあまり強くない。
ここが強いアメリカは後半でメダル数を伸ばしてくる傾向にあるが、日本は陸上でメダルを伸ばすことができない。
他では、卓球団体や男子サッカー、野球あたりはメダルの期待があるが、団体競技中心でメダルを伸ばすという感じではない。
 
とはいえ、前半だけですでに過去最多の金メダル数ということで、単純にすごいことだと思う。後半戦も少しでも上積みして、コロナで後ろ向きな雰囲気を明るくしてほしいと思った次第である。
 
ということで、日本のメダル獲得の可能性が高い競技は前半戦に集中している、という話でした。