スキージャンプ混合団体を見て

北京オリンピックが開幕して数日、テレビでいくつかの競技を観戦した。
当初は、今回のオリンピックはスルーしようかと思っていたが、日程を確認するとやはり注目競技くらいは見ておこうという気になり、夜やっている競技を中心にチェックしている。
 
そんな中、昨日は娘と息子を寝かしつけた後、スキージャンプ混合団体をやっているのに気づき、テレビを見始めた。
スキージャンプは完全な個人競技で、団体をやる意味は正直ないと思うし、さらには男女混合種目にする意味もないと思うのだが、それでもその種目をやるのであれば愚痴ってばかりいてもしょうがないので、前向きに応援しながら観戦することにした。
 
このスキージャンプ団体混合、ノーマルヒル金メダリスト小林陵侑に、女子エースの高梨沙羅がいるので、メダルが期待できるものと思っていたら、テレビをつけて見始めた段階で、かなり下位に沈んでいた。
この2人とその他メンバーと差が大きいのかなと思っていたら、1回目の高梨が失格になったとのこと。スキージャンプで失格という概念が私になかったので、テレビでの解説を待っていたら、どうやらスーツの違反があったとのこと。
しかも、高梨だけでなく、1回目で3人も失格、さらには2回目でも1人出たようで、いろいろと疑問が湧いてきた。
 
スーツの可否はジャンプ前にはわからないのか、前に失格者が出たらその後に出場する選手は気をつけないのか、2回目に失格となった選手は1回目は問題なかったはずでなぜ2回目だけが失格になるのか。
いろいろと疑問に思ったが、最大の疑問点は、1人あたりのポイントが100前後あるなかで、スーツ(だけではないようだが)による失格で点数が0になってしまうルール。それほど重大な違反で、点差が大きなペナルティが必要なのか不可解であった。
個人種目であれば失格で致し方ないのかもしれないが、団体種目で失格で0ポイントとなると、順位は大きく後退してしまう。さらには4人も失格が出るということは、各選手はギリギリのスーツを選択しており、誰がなってもおかしくないということかと思うが、その割にはポイントが0ではペナルティが大きすぎる。
個人戦のルールを団体戦にそのまま適用している印象で、団体戦用のルールを確立する必要があるのではないかと感じた。
 
さて、そんな中、日本はそれでも1回目8位。
10チームが参加で、4人が2回ずつ飛んで、その合計点で競う種目だが、2回目に進めるのは上位8チームということで、ギリギリでの2回目進出となった。
 
上位進出が難しいと感じる中での2回目だったが、1番手の高梨が素晴らしいジャンプを披露。メンタルがだいぶやられているだろうこの局面で、こんなジャンプができるんだと素直に心を打った。
さらには、1回目2位のベルギーで失格(この失格はほんと不可解)が出たことで、一転日本の順位は大きく上昇。3人目まで終わった段階で4位で、最後の4人目次第では逆転でメダルを狙える位置につけることになり、最後まで目を離せない展開になった。
 
日本の4人目はノーマルヒル金メダリスト小林陵侑。
そのジャンプは素晴らしく、ヒルサイズである106mで最高のジャンプ(このヒルサイズは今回のオリンピックで初めて知ったが、安全に着地できる目安の地点を指すようで、自分はK点しか知らなかった…)。そんな大ジャンプをこの場面で決める姿は、純粋にかっこよかった。
 
そして、2回目の3番手までで3位につけていたカナダ。最後4人目の選手は、小林選手のジャンプを見てプレッシャーがかかった中だったと思うが、しっかりとしたジャンプを見せて3位を死守。日本としては残念な結果であったが、このカナダの選手もかっこよかった。
 
不可解なルールではあったし、残念ながら4位でメダルには届かなかったが、純粋にいいものを見せてもらった、というのが正直な感想だった。こういう場面を見ると、やはり今回のオリンピックは面白いし、関心をもって見てよかったなと感じた次第である。
 
ということで、久しぶりにスポーツを見て感動した、という話でした。