カープの新チケット販売システム

2024年も早いもので、もう3月。春直前といった感じで、プロ野球もオープン戦が本格化してきた。
 
この時期になると、開幕が待ち遠しくなるのだが、あわせて気になるのがチケット確保で、我らがカープのチケットも本日販売開始となった。
カープのチケットは、毎年この時期に一斉販売され、9月まですべてのチケットが売りに出される。
他球団は、時期を区切って販売するのに対して、カープは一斉販売なので、それに対する苦情も多かったのだが、今年も同様に一斉販売となった。
 
ただ、1つ改善点があり、それが「仮想待合室」というしくみ。
これまでは発売開始とともに、多くの人たちが一斉にサイトにアクセスするため、なかなか販売ページにたどりつけず、毎度パソコンの前にかじりついて、アクセスを繰り返し、ようやくたどりついたと思ったら、チケットのあとわずかという感じが続いていた。
そこで今回導入された「仮想待合室」だが、これはサイトに順番にアクセスできるよう、文字通り待合室のようなページを1つかませて、そちらにアクセスすると、現在の待ち人数と想定待ち時間が表示されというもの。で、自分の番になったら、販売ページにアクセスできて購入ができるというしくみ。
 
最初、こんなしくみを入れてもそんなに変わらんだろうと思っていたが、実際にアクセスしてみるとストレスがかなり軽減した。
仮想待合室に入ったら、あとはとくに何もすることなく待てばいいだけ。以前のように何度も画面の更新を繰り返す必要はない。
また、想定の待ち時間もわかるので、パソコンにかじりついておく必要はなく、その時間まで違うことができ、時間も有効に利用できた。
 
今回、私は朝に会議があったため、遅れてアクセスすると20,000人強の待ちで、待ち時間は40分くらいと表示。
これだと希望のチケットは取れないだろうなと半ばあきらめていたのだが、待ち行列は思ったよりも早く進み、結果としては30分くらいで購入画面に到着。
そこから残りわずかとなったチケットから選択をして、いくつかの試合のチケットをゲットすることができた。
 
このシステム、本当にいいしくみだなと思ったが、これはザ・ゴールという書籍で紹介されている、TOC(制約条件の理論)に合い通じるところがあるなと感じた。
同じ人数がサイトにアクセスするとしても、みんなが一斉にそのページに行くのではなく、順番に並ぶことで流れがよくなり、サイトの負荷も、ユーザーのストレスも軽減できている。
TOCでは工場のモノの流れを良くすることに注目するのだが、まさにそれと同じ。考え方としてはシンプルなのだが、それをウェブで実現できており、非常に良かったと感じた。
 
これまでカープはこの手の改善が苦手というか、あまり関心がなかったように思っていたが、今回の施策はよかったと思う。
球場内ではキャッシュレス化が進まなかったり、球場のチケット売り場でクレジットカードが使えなかったりと、IT化の遅れが目立つ球団ではあるが、これを機にどんどん改善していってほしいものである。
 
ということで、カープのチケット販売のシステムがかなり改善されていた、という話でした。