衆議院議員選挙のちょっとだけ細かい数字を見てわかった傾向

昨日の10月31日は衆議院議員選挙があった。
私は昼間、娘と息子、甥っ子と遊びに出かけたため、夕方遅くになっての投票になった。
選挙は必ず行くと決めており、住民票を移していなかった大学生時代を除き、社会人になってからはすべての選挙に行っている(はず)。
 
さて、今回の衆議院議員選挙、総評としては自民が議席を減らすも絶対安定多数を確保、公明党は3議席増で堅調、立民・共産等も野党連合組は議席減、第3極を目指す維新は躍進、国民民主も地味に議席を増やした、といったところか。
与党は勝利と言ってもいいラインで、野党共闘は失敗、というのが大方の印象か。
 
ただ一方で、選挙速報の特番を見ていて思ったのは、自民党は大物議員をはじめ、けっこう多くの小選挙区で敗退している印象であった。
甘利幹事長、石原伸晃元幹事長、平井卓也デジタル改革担当大臣など、名の知れた候補者が小選挙区で敗退するなど、野党共闘はある程度は機能していたように見えた(甘利、平井両氏は比例復活)。
 
この全体的な総評と選挙特番を見ての小選挙区の印象の差は何なのだろうか。
もう少し細かい数字を見てみた。
 
見てみた数字としては、今回と前回(2017年)の小選挙区比例区の当選者の推移。
すると、以下のような傾向が見えた。
 
・自民は、小選挙区では2017年の当選者数は218に対して今回は189(-29)で、比例は2017の66に対して今回は72(+6)
・立民などの野党共闘組は、小選挙区で2017の38に対して今回は59(+21)。比例は2017の81に対して今回は51(-30)
野党共闘組には、立民、共産、社民、れいわ、2017の希望の党を入れて計算
※※数字はあくまでも2017と今回2021の数字の比較、この間の各党での増減は考慮せず
 
この数字から見えるのは、小選挙区において野党共闘自体はある程度というかかなり効果を上げており、上述したように大物であっても評価されていない候補者を落選に追い込むといった効果はあったと言っていいと思う。
一方で比例では、与党に対する批判票はこれら野党共闘組には票が集まらず、維新や国民民主に集まったものと考えられる。
 
これらの数字を見てみて、全体的な総評と選挙特番での自民党小選挙区での苦戦の印象に齟齬がないことがわかった。
また、野党共闘は失敗と見られているが、実際は小選挙区では共闘は結果を出している一方で、比例の結果でそれぞれの党への期待が集まっているわけではないこともわかった。
野党共闘のイメージが比例において芳しくない結果を招いた可能性はあるので、一概に共闘が良かったとは言えないが、野党側が候補者を絞ると大物議員であっても落選する可能性が高くなるというのは、今回の選挙を見ていて興味深いと思った点である。
 
ということで、ちょっとだけ細かい数字を見てみると傾向がつかめる、という話でした。