展示会を活用した逆営業戦略(後編)

出展しようかと検討していた展示会を視察に行ったのだが、そこから営業につなげる方法があるのではないかということで、その考え方と方法論をまとめた、後編・方法編である。

 

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情報収集の際に話を聞くべきポイント

考え方を整理して踏まえた上で、情報収集の段階で、どういったことを聞いたほうがいいかをまとめておきたい。
 
1.その会社の売っている製品やサービスは何か
展示会では、そのブースの企業が何を売っている会社なのか、がわからないことが多い。
詳しく話を聞けば、どういうことをしているのかわかるのだが、ブースのコピーや展示物では伝わらないことがある。
例えば、機械が展示されているとして、その機械自体を売っているのか、その機械で作られるものを売っているのか、ひと目ではわからないことがある。
そこでまずは、実際に何をしているのか会社で何を売っているのかを確認するところからはじめたい。
 
2.その会社はその製品・サービスのどの部分を担当しているのか
例えば、機械を展示しているブースで、機械自体を売っていることがわかったとする。
では、その会社はその機械を作っているのか、それとも製造自体は他の会社がやっていて、仕入れて売っているだけなのか。
さらには機械を作っているとして、工場をもって自社で作っているのか、それとも設計・開発のみを担当して、製造は他社に委託しているのか。
こういったところ確認しておきたい。
 
あくまでも、展示会の場では情報収集のみに徹するが、今後売り込みをかける際に、資材の購入の権限を誰がもっているのかは重要になる。この会社がそういった権限をもっているのか、それであればどの部署が権限をもっているのか、その情報もできるだけ収集しておきたい。そのためにも、この会社がサプライチェーンのどの部分を担当しているのかということはよく確認しておく必要がある。
 
3.その製品やサービスの競合他社にはない強みは何か
さらには、その製品の他社にはない強みが何かということもあわせて確認しておきたい。
展示会に出展する場合、どちらかというと既存製品よりも新規開発した製品をアピールすることが多い。
その製品の他社にはない強みを確認できれば、今後その新製品がどの程度売れるものなおか推測しやすい。
今後売れる製品をもっている企業に売り込みをしたほうが、より多くの量を買ってもらえる可能性が増えるので、そういった製品の今後の成長性を占うためにも強みを確認しておきたい。
 
以上が、展示会で確認しておくべき事項で、繰り返しになるが、自社の製品はアピールせず、名刺交換をしてお礼を言ってブースを後にする。
 
 

営業につなげるプロセス

ここまででも、多くの情報が収集でき、リサーチという点で十分に有効であるが、ここから自社製品の営業につなげたいのであれば、以下の3つのプロセスを経ることになる。
 
1.お礼のメールを出す
できるだけ早い段階で、展示会でいろいろとおしえてもらったことに対するお礼のメールを入れる。
普通、出展者が来場者にお礼のメールを送るのだが、その逆で来場者である自分が出展者にメールを送るのである。
そういったメールが送られてうれしいかどうかは人それぞれだが、嫌だと思う人は少ないだろう。
リスクはほぼないので、忘れられないうちにメールを送っておきたい。
 
2.パンフレットなどの紙媒体をDMする
その後、自分たちがアピールしたい製品に興味をもってもらえそうな会社にパンフレットを郵送する。
実際に興味をもってもらえるかどうかはわからないが、やみくもに送るのと比べれば、実際に話して感触がわかっているので、興味をもってもらえる確率は高くなる。
パンフレットを見て、その会社にとって役に立ちそうと思ってもらわなければならないので、パンフレットの内容は精査しておく必要はある。
 
3.テレアポを入れる
DMを見てもらったくらいのタイミングで、直接アピールできるアポを獲得するための電話をかける。
展示会とは違って、冷たい対応をされてしまう可能性はもちろんあるが、それでもやみくもに電話するよりかはつないでもらえる可能性は高くなるだろう。
ここからはアポにつなげるためのトークが必要となるが、どういったことをアピールすべきかよく準備をして臨みたい。
仮にアポが取れたとして、展示会で名刺交換した人が購買の権限をもっているかどうかはわからないので、できれば権限をもっている人も同席してもらえるようお願いする必要も出てくるであろう。

 

以上のような流れで営業活動を行えば、やみくもに訪問したり、やみくもに電話をかけたりするより、成約までの可能性は高くなるのではないかと思う。

展示会で確度の高いリストをつくり、そのリストをもとにテレアポする、という流れは新たな営業戦略になり得るのではないかと感じた。
実際に有効な方法なのか、うちの会社の営業で試してみたいと思う。
 
ということで、展示会もいろいろな活用方法があるということに気づいたという話でした。
 
くれぐれも、展示会における露骨な営業はマナー違反(ルール違反)なので、そういった行為をやめましょう。