意味がある対策とアピールのためだけの意味がない対策

12月のあたま、会社でとある展示会に出展するということで、2ヶ月ぶりに東京に行ってきた。
2ヶ月前の10月に行ったときも思ったことだが、新型コロナへの対策は、意味があるものが少なく、意味がないものが多いなと感じたが、今回もやはり同じような感想をもった。

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そこで、今回も自分が見てきた中で、意味がある対策、アピールのためだけで意味がない対策をまとめておきたいと思う。

 

その前に、まずはウイルス感染の原則として、新型コロナウイルスの感染ルートを確認しておきたい。
新型コロナの感染ルートは、インフルエンザと同様、飛沫感染接触感染が大半を占める。その中でも、飛沫感染がメイン、接触感染がサブ。
症状のある感染者がいるところ以外では、ウイルスがついている同じ場所を何度も触るということはほとんどないので、公共的な施設では基本飛沫感染を防ぐことに注力すればいいということになり、飛沫感染は会話のときに起こるので、会話がないところでは特段対策を取る必要はないということになる。
このあたりを踏まえて、意味がある対策、アピールのためだけで意味がない対策を整理してみたい。
 

意味がある対策

検温
今回、展示会に出展者として参加して感じたことは、症状がある人がいないと感染リスクはかなり下がるのではないか、ということ。
新型コロナでは、無症状の感染者からも感染するリスクはあるが、ビジネスの場ではほぼ全員がマスクをしているため、例え(無症状の)感染者と会話していても、感染リスクは相当低いと感じた。
裏を返せば、体調が悪い人は休む、を徹底するだけで相当の感染がなくなるのではないかと言えるのではないだろうか。
クラスター発生例を見ても、体調が悪いのをおしてバスツアーに参加したというケースがあるが、検温などでこうした人を(言い方は悪いが)排除できれば、感染が起きる可能性をかなり下げることができる。
バスツアーであれ、イベント開催であれ、主催者側としてはこうした人にお引取りいただくのは気が引けるであろうが、ここは他の客に迷惑がかかるばかりか、その会社のビジネスそのものが立ち行かなくリスクもあることも十分に認識した上で、心を鬼にして「入れない」ことを徹底しないといけないのだと思う。
実際、展示会主催会社のスタッフも言っていたが、検温して熱がある人は絶対に入れないということであった。ここで感染が発生したとなると、展示会を開催するというビジネスそのものができなくなるのだから、当然といえば当然のことかもしれない。
 
 

意味ない対策

百貨店での入口・出口の区別(と検温)
一方で、百貨店の入口でも検温装置を置いてあったが、こちらはほんとに熱がある人を排除するためにやっているのかどうか疑問であった。
全員の検温をしているようには見えなかったし、変に入口と出口を指定して、他の出入口を封鎖することで余計に混雑するという現象が起こっていた。
形として対策やっていますということをアピールする必要があるのはわからなくもないが、やるならしっかりやる、やらないならやらないで、中途半端なことはしないに限ると感じた。
売店では長時間の会話は発生しにくいし、基本マスクもつけているので、少々の咳などの症状があっても感染リスクはそれほど高くないのと思われるので、中途半端に対策をして混雑するほうがよほど感染リスクがあるのではないだろうか。
 
トイレの間引き
たまに見かけるのが、小便器の間引き。
1つおきにしか使えないようにしてあるのだが、これなんてほんと意味がない。
上述のとおり、基本会話がないと感染しないし、小便の最中に会話をすることはない。仮にあったとしてもせいぜい数十秒である。
この施策によって行列ができていたところを見たことはないが、仮に行列ができて、その間に会話をするようなことがあれば、そっちのほうがリスクが高くなる。
ソーシャルディスタンスを誤解している典型例と言えるだろう。
 
ホテルのビュッフェの手袋
接触感染防止のために、ホテルの朝食ビュッフェではビニールの手袋をつけるように言われる。
上述のとおり、接触感染のリスクはほぼないし、マスクなしで咳をしている人でもいない限りウイルスがつくということはない。
なので、基本的にこのビニール手袋は意味がないと思うのだが、それでも気分的には、つけることに異議はない。
ただ、両手につけろと言われると、何のため?と思ってしまう。
接触感染防止のためなら、トングなどを触る部分に手袋をしていれば十分なはずである。
両手にビニール手袋をつけるとトレーを持つほうにつけることになり、手が滑りそうになって逆に危なっかしい。
 
 
ということで、意味があるコロナ対策って、きちんとやる検温くらいしかないのではないのでないかという話でした。他にもないか探してみたいと思います。