【オリンピック】個人競技の団体種目は必要か

オリンピックも後半に突入。
開幕前はどうなることかと思っていたが、始まってみれば盛り上がりを見せているオリンピック。
この週末も各種団体競技(いわゆる球技系)の日本代表の試合があったし、私はきちんと見ていなかったのだが、柔道の団体戦では、抽選の疑惑なども含めて、盛り上がっていたようである。
 
そんな柔道の団体戦。前回の東京オリンピックから正式種目になったようだが、柔道のような個人競技の団体種目について、ここでは言及してみたいと思う。
柔道に限らず、個人競技の団体種目が最近増えているが、私はとくにオリンピックでは必要ないと思っている。
 
そう考える理由はいくつかある。
1つは、単純に個人競技を足し算するだけなら、わざわざ団体戦にする意味が薄いと考えるから。
要するに団体種目にすることで、個人戦にはない要素が加わるのならまだわかるが、単純に個人の足し算だけなら、別枠を設けてやる必要がないと考えるわけである。
柔道の団体戦は、男女3階級ずつで代表を出して、6試合を行うルール。今回もその階級より軽い階級の選手が出るなどして、出場選手をどう割り振るかで、団体ならでは妙がないわけではないようだが、そうだとしてもやはり蛇足感は否めない。
柔道以外では、フェンシングの団体種目は、より単純な足し算でしかないように感じる。
これが、陸上や競泳のリレーであれば、バトンの受け渡しなど、団体種目ならでは面白さがあるのでわかるが、単純な個人競技の繰り返しであれば団体戦にする必然性は薄いと考える。
 
2つめは、ピーキングの問題。
個人種目と団体種目があったときに、どちらも出場する選手はどちらにピークを持っていくべきかが難しくなる。柔道の場合は、当然のことながら個人種目のほうが大事なはずで、団体種目はおまけのような位置づけにならざるを得ないと思うが、そういったおまけならやらなくていいかと思ってしまう。
冬のオリンピックだが、アイススケート団体戦はもっと意味不明。男女シングルやペアなどで団体戦をやるのだが、個人戦に集中するためにエース選手が団体戦に出なかったりする。当然のことながら、個人戦優先なのだから、無理に団体戦をつくらなくてもいいと思うわけである。
 
3つめは、種目数の増加につながってしまうから。
ただでさえ、オリンピックは新たな競技が追加される傾向にあって、競技数が増えているのに、その競技の中で種目をこれ以上増やす必要はないと考える。種目が増えれば、その分メダルの価値も減価する。それはオリンピックの価値を下げることにもつながりかねない。
各競技の世界選手権などでやるのであればいいが、オリンピックでは種目は厳選したほうがいいと思う。
同じく、男女混合系のように組み合わせで種目を増やそうする動きが垣間見える。団体戦だけではなく、男女混合ダブルスなどつくればいくらでも種目は増やすことができるが、これも避けたほうがいいと考える。
 
上述しなかった競技で言うと、体操は得意種目があって補完しあうので団体もありかと思うが、卓球の団体はなくてもいいと思う。
各競技とも、オリンピックという場で少しでも多くの陣地を取りたいと躍起になっているのだろうが、種目数はもう少しコンパクトにしていったほうがいいのではないかと思う次第である。
 
ということで、オリンピックで個人競技の単純な足し算にしかならない団体種目はいらない、という話でした。