競歩という種目の違和感

東京世界陸上が閉幕した。

当初、ほとんど興味もなかったのだが、自国開催の世界大会ということで、見出すとかなり面白く、家にいる日は子どもたちからチャンネル権を奪い取り、テレビで観戦する1週間となった。

女子マラソン、男子100m、男子3000m障害、男子110mハードル、あとは世界新記録の出た男子棒高跳びあたりが印象的だったか。

次回2027年は北京での開催。時差の影響が少ないので、テレビで応援したいと思う。

 

さて、そんな今回の世界陸上で、物議を醸した種目の1つが競歩

男子20キロ競歩決勝で、トップ争いしていた日本人選手が、3度目の警告を受けて、ペナルティゾーンでの2分間待機となり、優勝争いから脱落した。競歩は両足のいずれかが地面についていないといけないというのが基本のルールだが、両足が離れると走っているとみなされ、警告されるよう。

私はこの種目をリアルタイムで見ていたわけではないが、ニュースで見る限り、この日本人選手はたしかにちょっとあやしいなという感じだった。ただ、他の選手がどうだったのかよくわからないので、そこの比較で今回の警告ならびに2分間待機というペナルティが妥当だったのかどうかはよくわからない。

 

ここで言いたいのは、その判定についてではなく、競歩という種目そのものについて。

正直、この競歩という種目はなんであるんだろうと疑問をもっている。

私が子どものころ、競歩がオリンピック種目であった記憶がないのだが、調べてみると1908年のロンドン大会から正式種目になったようで、2021年にあった東京オリンピックを最後に50kmが廃止、それ以降は「20km競歩」と「35km競歩」の2種目が主要国際大会の公式種目になっているとのこと。

 

なぜ、競歩に疑問があるかというと、純粋に走ることと比べて遅いのに、そんな制約をつけた種目の必要性がわからないから。

これは陸上競技に限らないが、種目なんてつくろうと思えば、無限にできてしまう。極端なことを言えば、10m走でもいいわけだし、110mや400mハードルも障害の数や高さが変われば違う種目ができてしまう。さらに言えば後ろ向き走なんてものもつくろうと思えばつくれてしまう。

競歩は本質的にはこの後ろ向き走と同じで、もっと速い普通に前を向いて走るよりも遅いのに、変な制約をつけた種目をつくるのか正直よくわからない。

 

加えて、今回の世界陸上でも物議を醸したように、その制約(どちらかの足が地面についていないといけないというルール)に対して、人の目で審判するという、ややもすると恣意的な判断が入ってくる。球技ならいざしらず、陸上競技で審判の判断が必要な種目なんてナンセンスだと思うわけで、もっと純粋に、より速く、より遠くへ、より高くへ、という基準で種目をつくればいいと思うわけである。

 

もちろん、この種目でがんばっている選手もいるわけで、この人たちに対して何か言いたいわけではない。しかし、そもそもなんでこういう種目をオリンピックや世界陸上の正式種目にしたんだろうと、前から不思議だったので、ここに書いてみた次第である。

 

ということで、競歩という種目はなんであるんだろう、という話でした。