カンペというドーピング

私は経営者ということもあって、社内や所属する団体の会合などで挨拶する場面がそこそこある。地元の某団体でそれなりに責任ある立場だったときは、毎度挨拶する必要があったので、否が応でも話す必要があり、人前で話すことに抵抗がなかった。

ただ、その団体での活動も終わり、外で話をする機会が減り、社内で話をするときもカンペを使うことが多くなってきた。

当たり前のことではあるが、カンペを使ってスピーチになれてしまうと、それなしのスピーチが下手になってしまう。カンペなしでやろうと思うと、事前の準備の時間が必要になる。カンペを使えば使うほど、それなしのスピーチでの準備の時間がかかってしまう。

 

で、ここにきて最近、また人前で話す機会が増えてきており、今後さらに増えそうな傾向あるので、それであるならばと、カンペが許される場面でも、カンペなしでスピーチすることを自分に課すことにした。

 

ところで、カンペありかなしか。なしのほうが大変と思う人も多いかもしれないが、カンペを読むのは、それはそれで難しい。もちろん途中で話すことを忘れても大丈夫という安心感はあるのだが、言い回しなどその場の雰囲気で原稿の内容と変えてしまうと、その後が続かずに困るなんてことも多い。だから接続詞なども含めて、きちんと前もって原稿をつくっておかないと、変な間ができてしまうなんてこともある。

というわけで、カンペが一概に楽であるとも言えないのだが、それでもやはり保険にはなる。保険というよりドーピングみたいなものかもしれない。使えば使うほど、元に戻れなくなる。

 

そんなこんなで、最近ではそんなドーピングを手放し、カンペなしでスピーチするように心がけている。最初は不安であったのだが、慣れればそんなに問題にならないし、カンペありとは違って話したい内容がダイレクトに伝わっている実感もある。

これから50代に突入する中で、社内外で話をしないといけない場面は増えてくる。そして、自分の伝えたいことも増えてくる。そう考えると、ここでカンペは使わないことを決めるというのは悪くないと思った次第である。

 

ということで、カンペというドーピングを手放すことにした、という話でした。