先日、10月11日にキングオブコント2025が放送された。
当日、私は友人との食事があって、帰ってテレビつけたらファイナルステージ最後のロングコートダディが出ていた。結果はそこでわかってしまったのだが、後からTVerで視聴。ここ数年思うことだが、この大会のレベルはかなり上がってきていて、いわゆるハズレがないなという印象。個人的に面白かったなと思うは、レインボーとしずるか。
あと、審査員の評価が微妙に分かれていて、それはそれでいいことかと思う。どれが面白いかどうかは好みがあるだろうが、総じて会場のウケの量で審査しているんだろうなという印象だった。
さて、その採点の問題。これは審査員の好みや会場の笑いの量で判断するというのでいいのだが、点数のつけ方については正解というか、こうやるべきというのがある。それは(理想を言えばだが)10組出場すれば、1位から10位まで1点差ずつで採点するというもの。これは、1組目から10組目からすべて見てから点数をつけるのであれば簡単だが、1組ずつ採点する方式だと言うは易く行うは難しだとは思う。だとしても、これを意識して採点すべき。なぜなら、1人だけ点差を大きくつけることがあれば、その審査員の配点が全体の順位に大きく影響を及ぼしてしまうから。極端なことを言えば、他の全部の審査員が最下位とだと思っている出場者に対して、ある一人の審査員がその出場者に対して高い点数を入れれば(そして他の出場者に低い点数を入れれば)、その出場者が優勝してしまうことになる。
前回大会から審査員が変更となり、前回はこの点を理解できている審査員が少なかった印象だったが、今回はすべての審査員がかなり意識して採点しているように見えた。
1stステージでは、実際の順位と、各審査員の点数を順番に並べて順位点に変換した順位が、変わらなかった。
だが、問題はファイナルステージ。
キングオブコントの場合、10組が出場して、そのうち上位3組がファイナルステージに進出し、1stステージとファイナルステージの合計点で順位を決めるという採点方法をとっている。で、審査員はファイナルステージにおいても、この3組内で順位をつけるべきであり、できれば1点差ずつで点数をつけるべきである。
しかしながら、シソンヌ・じろうとかまいちち・山内の二人は、や団に対してそれぞれ92点、94点をつけているのに対して、ロングコートダディには両者とも97点をつけている。2位のや団に対して、3点差、5点差をつけているのが問題だというわけである。
なぜ、これがいけないのか。
今回のファイナルステージ、審査員5名ともレインボーを3位としているのでここは問題ないとして、1位と2位は割れていて、ロングコートダディには3人(じろう、山内、飯塚)、や団には2人(秋山、小峠)が1位としている。
だから結果的にはロングコートダディが優勝で問題ないわけだが、仮に飯塚がや団のほうに高い点数をつけていたらどうなるか。や団に1位票が3つ入ることになり逆転優勝とならないといけないわけだが、じろうと山内が大きな点差をつけたために、この場合でもロングコートダディの優勝となってしまう。
1stステージはロングコートダディのほうが高得点だったが、2位や団との点差は1点であり、しかも1stステージで1位にしたのは、ロングコートダディが2人、や団が2人だったので、この場合(飯塚がや団を上に評価した場合)は、やはりや団が優勝というのが妥当であろう。
おそらくではあるが、じろうと山内は、1stステージの点数を比較して(絶対評価的に)採点したものと思われる。じろうがコメントでも、ロングコートダディの2本目が今日一番面白かったと語っていたので、1stステージつけた1番高い得点である96点よりも高い97点をつけたと推察できる。
しかし、上述したとおり、ファイナルステージはあくまで3組のうちで順位をつけるべきであり、点差は(できれば)1点ずつにすべきなのである。
テクニカルには、現行の採点方法が続くのであれば、ファイナルステージ進出の3組の採点は、1組目に適当な点数をつけておいて、2組目のほうが面白いと評価したら1組目よりも1点高くつける、1組目のほうが面白いと評価したら2組目は1組目より1点低くつける。この時点で、どちらか1組は脱落するので、3組目は残ったほうと比べて、1点差で採点をするのが妥当ではないだろうか。これだと、審査員が思っていた評価と比べて、2位と3位の順位がひっくり返る可能性はあるだろうが、1位と2位についてはきちんと評価できるので、上述したような1位票が少ないほうが勝ってしまうということは回避できる。
今回の審査員と見ていると、秋山、小峠、飯塚の3名は、ファイナルステージ含めて、この順位をつけるんだということをかなり意識していたように見えた。じろうと山内は1stステージまでは意識できていたが、ファイナルステージでは採点の軸がブレてしまったというか、順位づけという意識ができていなかったと思われる。
こういった紛れの要素というか、審査員のバラつきの影響を排除するためには、ファイナルステージは、M-1のように1位票を入れるしくみのほうがいいかと思う。キングオブコントの場合は審査員が5人しかいないので、この方法だと最後の盛り上がりが少々欠けるかけるかもしれないし、M-1との差別化をしたいという意図もあるかもしれないが、審査員の評価をきちんと反映させようと思うと、1位票を入れるしくみのほうがベターではないだろうか。
ということで、キングオブコント2025の審査について思ったことを整理してみました。