都会志向の若者ほど離職率が低いという話

会社を経営していて、ここ数年、さらに言えばここ1,2年とくに感じるのが、採用の難しさ。
うちの会社は工場を運営しているのだが、工場の現場の社員も、営業担当の社員も、採用は年々の難易度が上がっている。
 
そんな中、ここ2~3年は地元の国立大学の学生との接触機会を増やし、ここから採用ができないか模索している。
ただ、国立大学クラスの学生を採ろうと思うと、いろいろとハードルが高い。
まず、うちの会社のことを知っている学生がほとんどいない。地元の国立大学といっても自治体が違って、いわゆる地場の会社ということで、知名度という点では0に近い。
 
そこで、オープンカンパニー(1日タイプのインターンのようなもの)を開き、懇親会もやって仲良くなって、うちの会社に志望してもらうという作戦を実行している。
幹事役の学生に、オープンカンパニーの企画と学生の集客をお願いし、10人前後の学生に対して、工場見学やグループワークを実施している。
しかしながら、優秀で採用したいと思う学生ほど、都会志向が強く、なかなかうちの会社に振り向いてくれない。私も大学進学のタイミングで地元を出て、東京で就職したので、その気持ちはよくわかる。
また、都会の大企業に就職できるポテンシャルのある学生が、もしうちの会社に来てくれたとして、それがその学生にとって最善の選択肢かと言われると、正直自信もなかったりする。
 
そこで考えたのが、このオープンカンパニーに来てくれた学生と連絡を取り続けて、新卒で入った就職先が合わないといったことがあれば、そのときにうちに来ないかと誘う作戦。
いわゆる第二新卒を狙う作戦で、これであれば、いったん都会に出て、うまくいかなければ、本人の納得度も高く、地方の会社であっても採用できるだろうと考えたわけである。
 
しかし、である。
先日、5~6年前に知り合った学生と食事に行く機会があり、そろそろ転職でも考えているかなと聞いてみたら、その気はない様子。さらに聞くと、都会に就職していった同級生ほど離職率が低く、逆に地元に就職した学生ほど転職していると言う。
たしかに考えてみれば、都会の企業(≒大企業)ほど給与だけでなく、コンプライアンスなどもしっかりしており、退職を考える機会は少ないのかもしれない。確率論で考えれば、都会の企業よりも地方の企業のほうがブラック企業も多いのだろう。
 
となると、この第二新卒作戦も功を奏しそうにはない。
もちろん、業績を高めて、給与を地道に上げていくのはやっていかないといけないのだが、それだけでは学生には振り向いてもらえないので、引き続き何かいい作戦がないか、考えていきたいと思う。
 
ということで、不都合な事実に気づいてしまった、という話でした。