カープ、歴史的失速の原因を考える(前編)

今シーズンのプロ野球も最終盤。巨人が4年ぶりのリーグ優勝を決めて、残るはCS争いとなった。
我らがカープは、8月末まで首位をキープするものの、9月に入ってから歴史的な失速で、現在(9月29日終了時点)で4位。CS進出も微妙な状況にある。
 
このカープの歴史的な失速。原因はいろいろと考えられるのだが、来季への対策の期待も込めて、私の考える失速の原因をまとめておきたいと思う。

 

1番大きな原因は疲労、かと思う。

毎試合、現地やテレビで観戦しているわけではないのだが、スマホの速報を見ていて感じたのは、9月に入ってから序盤での失点が多いこと。
他の記事でも書いたが、広島の戦力は正直、他チームに比べて劣っており、とくに野手陣においては下位レベルと言っていいだろうが、そこを投手陣とベンチのやりくりでここまで戦ってきた。
ここまで支えてきた投手陣が、9月に入って序盤から打ち込まれて失点することが多くなった。そうなると、攻撃面においても後手に回り、ベンチが打てる手が限られてしまう、という展開になり、結局追いつけずそのまま敗退という試合がほんとに多かった。
なぜこうなってしまったのか。本当のところはよくわからないが、1つ考えられることは疲労の蓄積だろう。
とくにこの夏は暑く、8月までは踏ん張っていた投手陣の疲労が溜まっていき、ここにきてふんばりが効かないという状態になったのではないだろうか。
 
それであれば、広島だけでなく、他チームも同じではないかという反論が出てきそう。
ドーム球場をもつ、巨人・中日はともかく、阪神DeNA・ヤクルトの各球団は同じ条件ではないか、と。
確かにこれらの球団も屋外球場をもっており、一見夏の疲労は同じように見えるが、おそらくそうではない。
まず、阪神は夏場の8月、高校野球の開催時期はホームでは京セラドームの試合が組まれる。今年の場合、これが6試合あった。たかが6試合、されど6試合である。
また、DeNA・ヤクルトにおいては、巨人を含めた関東3球団どうしの試合では、移動がない。それに対して、広島の場合は、半分の試合が遠征で、しかもその移動距離は長い。阪神と比べても移動における疲労は大きいと考えられる。プロ野球選手と比べてはいけないが、私も出張帰りは疲れが取れない。移動における疲労はバカにしてはいけないと思う今日このごろである。
もちろんチームとしては、暑さ対策を踏まえての準備をしていたかと思うが、今年の夏の暑さが、その想定を上回っていたということか。
屋外球場問題も、移動問題も、毎年のことではあるが、そこに歴史的(といってもこれからも続くであろう)猛暑が加わり、選手(とくに投手陣)の疲労が蓄積、それが歴史的な失速につながったと考えられる。
 
猛暑については多少の上がり下がりはあるものの、今後も続くことは間違いないので、この暑さを前提として対策を考える必要がある。
今シーズンも9月が勝負どころとして準備をしてきたかと思うが、考え方を変えて、8月にある程度リードしてしまうような勝負をかける必要があったのかもしれない。早めにスパートをかけて、仮に8月末時点で5ゲーム差をくらいつけることができれば、仮に9月に疲労が残ったとしても、余裕をもった選手起用もできたかもしれない。
もちろんリスクがある考え方だが、もともと戦力が劣っているチームでリスクを取らないと勝てないのだから、勝負どころの見極めも大事になってくるかもしれないと思ったりした。
 
次回、後編に続く。