夏休みも終わりかけの8月下旬。
まだまだ暑い日が続くが、それと関係あるのかないのか、家の近くの小児科はいつも駐車場がいっぱいになっている。
とくに週の初めなど、休み明けのときは道路にまで車が並んでいて、近くに住んでいる子どもたちはみんな風邪にかかったのではないかと勘違いしてしまうくらい、受診を待つ親子が多い。
コロナ以降、ちょっとした風邪の症状でも受診をしておかなければという意識が働いているように見える。
子どものことなので、親としては心配で先生に診てもらいたいという意識が働くのに加えて、学校や幼稚園・保育園などからは感染が広がっては困るということで、コロナ以降は病院での受診を打診されることが多く、それが定着している感がある。
夏場とはいえ、コロナは相変わらず周期的に流行っていて、この夏は子どもに限らず、うちの会社でも多くの感染者が出た。加えて、子ども特有のプール熱や手足口病なども広がっており、上述したように小児科は盛況を呈している。
うちの子どももご多分に漏れずということで、少し前のことになるが、夜に急に熱が出たため、翌日受診した。
そのときはおそらく手足口病だろうということで診察を受け、もし熱が続くようであれば、再度受診するよう言われた。結果としては、その後熱も下がって問題はなかったのだが、このときも多くの薬をもらって帰ることになった。
ここからが本題なのだが、この小児科の薬の問題、けっこうやっかいだなと思っている。
医療費の自己負担額は、75歳以上が1割、70歳から74歳までは2割、70歳未満は3割負担で、義務教育就学前未満は2割となっている。しかしながら、うちの自治体(含む多くの自治体)では、高校生世代まで自治体が負担することで、実質医療費負担が0となっている。
この子どもの医療費負担0は、一見いいことのように思えるが、マクロの視点でみるとかなり大きな問題ではないかと思っている。
どういうことかというと、薬代の負担も0なので、医者も多めの薬を出してしまうのである。今回のうちの子どものケースでも2週間分の薬が出たが、すぐに体調は元に戻ったため、3日分くらいしか飲まなかった。となると、残りの10日分以上の薬が無駄になるわけである。
ただ、親からすると、どうせタダだし、少なめにもらってまた病院に行くのも面倒なので、多めにもらうことに異議はない、となる。
こんな感じで、医者も薬剤師も親も多めの薬を出すことに慣れきってしまっているのであるが、マクロで見れば、かなりの無駄が発生していることになる。
よく高齢者の医療費負担が少ないことが問題視され、これ自体は私も問題かと思うが、一方で子どもの医療費も似たようなことになっている。
子どもの病気の大半は急性のものであり(慢性疾患ではないという意味)、本来2週間も症状が続くようであれば、再度病院に行かなければならないはずなので、薬を2週間分も出す必要はないのである。
タダより高いものはないとよく言われるのだが、まさにそのケース。
ただでさえ医療費の高騰が避けられない今後のことを考えると、高齢者の医療費にメスを入れると同時に、子どもの医療費無料についても考えていかなければいけないのではないかと感じた次第である。
ということで、医者が子どもの薬を多く出しすぎる、という話でした。