2024年5月に読んだ/聞いた本の感想

5月は6冊の本を読んだ(聞いた)ので、その感想をまとめておきたいと思う。
 
5月に読んだ/聞いた本は以下のとおり。
・人生で大切なことは、すべて「書店」で買える(Audiobook)
・表現を仕事にするということ(紙の書籍)
・取材・執筆・推敲(Audiobook)
・人新世の資本論(Audiobook)
・ロジカルダイエット(Kindle
発達障害大全(Kindle
 
だいぶ前にAudiobookでセールになっていたので買って、そのまま積ん読状態になっていた本。
正直、目新しいことはなかったか。とくに感想もなし。
 
 
表現を仕事にするということ

 

ラーメンズ小林賢太郎の最新書籍。本人はラーメンズ小林賢太郎という肩書きを出してないというか、数あるプロジェクトのうちの1つがラーメンズという感じの捉え方をしているようだが、私からするとラーメンズ小林賢太郎というのがしっくりくるのでこう書かせてもらいたい。
私がラーメンズというか小林賢太郎を初めてみたのは、たしか2001年で、大学時代の友人と電話しながらテレビを見ていたら、ラーメンズが出てきて、その友人もちょうど同じ番組を見ていて、二人でこれはなんだと衝撃を受けたのをよく覚えている。
それ以来、ラーメンズやその他演劇プロジェクトのライブにも行ったし、DVDなども多数持っているが、最近はソロライブの「POTSUNEN」を車の中で流していて、その中の「HANDMIME」という、パントマイムならぬ、手の動きだけで表現する作品を、小学生の娘や3歳児の息子が楽しんで見ている。
 
前置きが長くなったが、この書籍は、小林賢太郎の表現や仕事に関する考え方をまとめたもので、ここかしこに本音というか、言いたかったことが出ている感じがした。
制作の裏側や考えていることをあまり語ることがない印象だが、東京オリンピックのときのバッシングなどもあり、少しフラストレーションが溜まっており、少しそれを吐き出したかったのかなと感じた。
内容自体は小林賢太郎らしいのだが、一方で新しい側面を見たという感じはしなかった。
 
 
嫌われる勇気の著者である、古賀史健氏のライターとして教科書のような本。
ライターの定義(小説家との違いなど)からはじまり、取材に対する向き合い方、実際に書く上での心構え、厳しい読者としての推敲など、文章を書くにあたってのまさに教科書的な内容。
古賀氏自身、自分はライターとしてはたいしたことないが、読者としては一流だと認識していて、その一流の読者が許すような内容でなければならないと考えている、と説明していたのが印象的だった。
かなり長く、Audiobookでの聞く読書だったので、全体の内容は掴めたものの、細かい部分での考え方などきちんと整理できていないので、紙の書籍かKindleで再度読んでみたいと思う。
 
 
話題になっていたので、以前Audiobookでセールになっていたときに買った本。積ん読消化。
いわゆる左派経済学者の本。資本主義からの資本論をベースにした新しい経済の枠組みに変換しないと説いた内容だが、聞いていて、あまりいい気分はしなかった。
なんでいい気分がしなかったというと、気候変動に対応しないいけないという目的があって、そのためには資本主義に変わる枠組みにしないといけないという手段が必要だと説くのだが、本音は資本主義が嫌いでそのために、気候変動を持ち出しているんだろうなというのが伝わってきて、それが不快だった。
また、AならばBという論理展開で、AならばBになることもあるという事象も、Aならば必ずBになるという論に置きかえるなど、論理の飛躍が多く、それも聞いてて気持ちのよいものではなかった。
そして、こういった資本主義が嫌いな人の論理に共通することなのだが、部分的な資本主義の歪みを、手を変え品を変え紹介するのだが、総体としての資本主義に置き換わるシステムが、資本主義より良いものになるかは、証明が難しいし、実際はうまくいかない可能性が高いと私は考える。
仮にそれでもやってみようということであれば実験してみるのもいいかと思うが、民主主義の枠組みでそちらの方向に行くことはないだろうなとも思ってみたり。
 
 
ロジカルダイエット
どうすれば効率よくやせられるかの合理性を追求したダイエット方法を提唱した本。
内容としては、運動でやせるのは難しく、基本的には食事でやせるべしと説いている。もちろん、運動自体は悪いことではないが、あくまで補助的なもので、運動だけでやせようとするのは効率的ではないと喝破している。
この本で言っていることはシンプルで、必要カロリー以上を摂っているから太り、やせるためには必要カロリー分しか摂らなければいい。それも大幅にカロリーを下げる必要はなく、普段の活動量から必要カロリーを割り出し、その分だけ食べるということを実践しようというもの。
私は今年に入って体重が増加傾向なので、この本のメソッドを実践して、ダイエットできるか検証してみたいと思う。
 
 
うちの3歳半の息子が、1年くらい前に発達障害ASD自閉スペクトラム症)と診断されて以来、発達障害に関する本をいろいろと読んでいるが、本屋でこの本を見かけて読んでみた。
大全というくらいあって、ASDADHD学習障害といった、症例の多い症状について書かれているだけでなく、子どもの発達障害と大人の発達障害発達障害を取り巻く教育環境についても網羅していて、さらには専門家と当事者の両方視点からインタビューを中心にまとめられている意欲的な内容。
著者も息子が学習障害と診断されてから発達障害についていろいろと調べたが、体系的に理解できなかったので、そこを意識してまとめたと書かれていた。
これまで読んできた書籍と重複する部分ももちろんあったが、この本の特徴は発達障害の当事者の視点でも語られていることか。専門家と当事者といった視点の違いが理解を深めるのに役立っていると感じた。
 
以上、5月に読んだ/聞いた本の感想でした。