同級生を雇用するリスク

先日、うちの会社に高校時代の同級生が入社してきた。
高校時代だけでなく、幼稚園や小学校もいっしょ、中学は別だったが、高校や予備校までいっしょだったので、なんだかんだで40年以上の付き合いのある同級生である。
私と同じくいったんは東京に出ていたのだが、地元には数年前に戻ってきており、紆余曲折ありうちの会社に入ることになった。
 
性格も仕事の能力的なこともよくわかっているので、私は経営者として問題ないと判断して採用したわけだが、まわりがどう見るかは別の問題である。
おそらく多くの社員は、どんなやつが入ってくるのだろうと、興味半分、警戒心半分で見ているのではないだろうか。
また、うちの会社の会長である父親からは、反対はしないが慎重に考えるように言われたのだが、まわりの経営者が友人を採用して、うまくいったケースも、そうではなかったケースもいろいろ見てきているので、そういうアドバイスをくれたのだと思う。
 
同級生を雇用するリスクは、パッと考えたところ3つある。
 
1つは、経営者とその同級生が仲違いするリスク。
友人として仲が良かったとしても、組織に入れば上下の序列ができる。あくまでも、経営者と社員という関係になるので、お互いここをよく理解せずに、それまでの友人関係をひきずると、基本良くないだろう。
また、事前に聞いていた仕事内容や条件、社内の環境などとズレが生じたり、逆に入社する同級生のスキルが合っていなかったなどによって、お互い思っていたのと違うということなってしまう可能性もある。
ここは入社前に、2人の関係性ならびに、仕事内容や能力にすり合わせを、通常の採用以上にしっかりしておくことが肝要かと思う。
 
2つめは、入社した同級生が古参の社員と仲違いするリスク。
経営者の同級生が入社してくるということで、それまでいた社員が警戒するということは多かれ少なかれある中で、入ってきた同級生が意識高いことを言って、もともといた社員から煙たがれたりするリスクが想定できる。
また、入ってきた同級生も社長の友人ということで、そのことを傘にかけて偉そうにするなんてことも考えられる。そうなると、せっかく戦力として入社してもらっても、思っていたようには活躍できない可能性が高い。
その同級生と元から社員がうまくコミュニケーションが取れるよう、入社数ヶ月はちょっと意識したほうがいいかもしれない。また経営者としてはその同級生とは、必要以上のコミュニケーションを取らないように心がけたほうがいいかもしれない。
 
3つめは、経営者が古参社員と仲違いするリスク。
これは、新たに採用した同級生を重用するあまり、もともといた社員と経営者の仲が悪くなってしまうリスク。
これについては、重用するのが悪いということではなく、するのであればきちんと説明できる範囲でやるということか。
他の管理職の登用と基本同じなのだが、少し意識を強めに意識しておくことが大事かと思う。
 
こんな感じで、同級生や友人などの知り合いを雇用するときのリスクについて考えてみた。
私自身、改めてこのあたりを意識して、スムーズに社内の輪に入れるよう、一方で過度にならないよう、気をつけながらサポートしてきたいと思う。
 
ということで、同級生が入社してきた、という話でした。