歴史は虫の目で、現状は鳥の目で見る~「コテンラジオ」を聞いて

最近ハマっているコンテンツがある。その名は「コテンラジオ」。
私が日々利用させてもらっているVoicyで配信されており、先日存在を知り、鎌倉武士の回から聞き出したのだが、今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とリンクして頭が整理でき、また内容の深さから、これは間違いないやつだと思い、初回から聞いている。
内容としては、歴史を深掘りして話してくれているのだが、その背景や人物の細かい経歴まで伝えてくれ、また多彩な切り口で話をしてくれて、複数の価値観から歴史を眺める重要性を説いている。
 
この「コテンラジオ」、株式会社COTENという会社が提供しているのだが、この会社のミッションが 「メタ認知を高めるきっかけを提供する」というもの。
歴史という、現代から見れば俯瞰してみることができるものを題材にして、そのエッセンスを抽出し、現在にも転用できるよう知見を提供してくれている。
 
さて、「コテンラジオ」を聞いて、歴史は虫の目で、現状は鳥の目で見ることの重要性を実感している。
 
前述のとおり、歴史というのは、現代から見れば俯瞰してみることができるので、後付でなんとでも評価することができる。
いわば神の視点で、ある時代を切り取って眺めることができるので、なんでこんな決断をしたのか、なんでこんな無謀なことをしたのか、現代の人たちは思う。
ただ、その時代に生きた人から見れば、その時代の価値観があり、さまざまな事情があったわけである。後から見て、今の時代の価値観で判断するのは安易であるとも言える。未来の人たちから見れば、現代のさまざまな意思決定は不合理に映ったりするかもしれない。
 
その点、この「コテンラジオ」では、その時代の背景や登場人物の生い立ちや関係性など、そこにカメラが入っているような視点で歴史の話をしてくれる。
メタな視点で俯瞰した見方と、虫の目でその場の臨場感を意識した視点とを行き来するので、その時代や人物への理解がぐっと深まるのである。
 
こういった話を聞いていて思うのは、歴史は俯瞰した視点だけで見て、虫の目で見ることを意識しないと片手落ちになってしまうということ。
現在に生きる人たちは普段虫の目の視点でものごとを見ているので、歴史の事象を虫の目で見て成功要因や失敗の要素のエッセンスを抜き出さないと、今に活かすことができないのである。
大河ドラマが面白いのも、その時代の登場人物の視点から描かれているということは大いにあるかと思う。
 
一方で、現在を見るときには、できるだけ俯瞰した鳥の目を意識することが大事だとも気づかされる。
コテンラジオの中でもよく言われているのが、正しく現状認識することが難しい、ということ。
正しく現状認識さえできれば、あとは論理的思考で正解を導くことはそれほど難しくないが、多くの人は見たいように現状を見てしまう傾向があるので、最初の現状認識でつまづくことが多いと指摘している。
日々仕事をしていると、自分の見える範囲が世界のすべてになってしまうが、自分が見える範囲だけの情報で意思決定することの危険性をよくよく理解し、ときに立ち止まってできるだけ俯瞰的に情報を集め、正しく現状認識することが大事だと改めて実感する。
 
他にも、毎回気づきや学びがあるコテンラジオ。消化できていないコンテンツがまだまだあるので、楽しみに聞いていきたいと思う。
 
ということで、コテンラジオにハマっている、という話でした。