地方ほど画一化する問題

今週は出張で高知に行ってきた。
私は出張や各種団体の視察などで全国各地に行く機会がけっこうあるが、車で走っていると、どこに行っても、ロードサイドの風景が同じであるように感じる。
今回もご多分に漏れず、見たことあるような感じの風景が続いていた。
ロードサイドだけではなく、駅前やショッピングモールなんかもそうで、似たような店舗が並んでいる。違うのは、地銀の名前くらいである。
 
そう考えると、都会のほうがよほど個性的で、東京なんかは大きな街がいくつもあるが、どれもが違った街並みである。大阪や福岡あたりもよく行くが、大都市はそれぞれで見せる顔が違うように思う。
それに対して、中規模以下の地域だと、どこも同じになってしまっている。
 
こうなる理屈はよく理解できる。
地方の人たちも、都会にあるものは自分たちもほしいとなる。しかし、地方都市はカバー人口が少ないので、ニーズを満たすためにはどうしても最大公約数的な店舗が出店しやすくなる。個性的な店舗だとなかなか利益を上げるのが難しい。
出店する企業側も規模の経済が効くところのほうが有利で、ノウハウも貯まるので、特定の企業に偏ってしまう。強い企業がより強くなる構造になっている。
なので、放っておくと、どこも同じような街並みになってしまうわけである。
 
こんな感じで、少なくともロードサイドでは、国内で各地域が画一化してきている。
だからダメとかは言えないのだが、せっかく違う地域に来たのにちょっと残念に思ってしまう。
 
しかし、ちょっと考えると、この残念だと思う気持ちこそが傲慢なのかもしれない。
他の地域から来た人からすれば、いつもと違うものが見たい、違うことを体験したいと思うかもしれないが、住んでいる人から見れば、都会と同じようにしたいと思うのはごく自然なことで、それを否定することはできない。
住んでいる人のニーズを優先させるか、訪問する(旅行でやってくる)人のニーズを優先させるかとなると、前者を優先せざるを得ないということになるのだろう。
 
ただ、そうなると、今後旅行で行きたいと思える街は都会か、特徴ある観光資源がもともとあるところだけになってしまう。
地方は画一化し、都会が個性発揮する。放っておくと、そんな二極構造になってしまうので、居住者と訪問者のニーズの双方をうまく両取りできるそんな方法がないか、ちょっと考えてみたいと思った次第である。
 
ということで、地方ほど似たような街並みになってしまう、という話でした。