多くの人はアクセルとブレーキを同時に踏めない

早くも全国各地で梅雨明けしたようで、今年の夏も猛暑が予想されている。
実際、すでにかなり暑いし、夜も先週あたりから熱帯夜の日も出てきて、クーラーなしでは寝ることができないような気温になりつつある。
 
一方、火力発電は老朽化、原子力発電は再稼働できずで、電力供給は逼迫しており、電力使用の節約が訴えられている。
この夏もかなり厳しいらしいが、冬はさらに逼迫度が増すらしく、どこかで電力が足らなくなるという事態も覚悟しておかないといけないのかもしれない。
 
そんな中、熱中症対策でエアコンは適切に使うように、しかし無駄な電力は使わず節約するように、と相反するメッセージがメディアを通じて流されている。
 
私の印象だが、多くの人は、こういった相矛盾するメッセージを整理して受け取ることがうまくできない。
あるときは熱中症対策重視、あるときは節電、例えば、エアコンは使うけど、電気とテレビを消す、みたいにそれぞれの場面で適切な選択をする、みたいなことが苦手である。
だから、節電は一切しない、なぜなら命が大事だから、とエアコンをガンガン使うと宣言する人がいるかと思えば、これまでも乗り切ってきたから大丈夫、とエアコンを使用せずに熱中症になってしまう人が後を絶たなかったりする。
 
コロナ対策におけるマスクなんかも同じで、人と近距離で話をするときはマスクはしたほうがいいし、それ以外の場面では基本いらないのだが、そういった使い分けが苦手である。
日本ではいついかなるときもマスクは着用すべしということで、スポーツジムで一人でランニングマシンを走るときもマスクを強要されたりするし、屋外での野球観戦でもマスクしていないと注意されたりする。欧米では逆で、マスクの着用義務がなくなると、まったくつけないとなる。
どちらがいいとか悪いとかを言いたいのではなく、それくらいその場に応じて使い分けるといったことができない、ということ言いたいのである。
 
事程左様に、多くの人にとって、その場その場で、アクセル踏んだりブレーキ踏んだりといった判断をするのは苦手なのだと感じる。
人間の脳は、判断を省略ことによってキャパシティの有効活用をするようにプログラムしているから仕方ないのかもしれないが、それでも21世紀のこの現代、もう少し柔軟に考えられるようになってもいいのになと感じる次第である
 
ということで、多くの人は0か100の思考の陥りやすい、という話でした。