福岡ソフトバンクホークスの経営力

先日、福岡PayPayドームに野球を観に行く機会があった。
私は年に5~10回程度、球場に野球を観に行くくらいのプロ野球ファンで、福岡ドームにはここ数年は毎年1回は行っている。
行くたびに、この球場というか、ソフトバンクという球団の経営力・営業力には感心させられるのだが、今回はそれを強く感じたので、ここにまとめておきたいと思う。
 
まず1つめが、席種の豊富さ。
ここ数年、子どもを連れてこの福岡ドームに行くことが多いのだが、そのときに使うのがキッズルームがある席。
3塁側外野の6階席(最上階)という、1番グラウンドから遠くところに、キッズルーム席をつくっている。
バルコニー席の裏に子どもが遊べる遊具が置いてあり、小さいこどもがいても楽しめるようになっている。
本来であれば、一番安い席になってしまう位置にこういった席をつくることで価値を付加しているのに感心する(といってもチケット代がめちゃくちゃ高いわけではないし、試合も十分に楽しめる)。
 
また、今回はベランダと部屋が分かれているボックス席で取引先の人と観戦したのだが、こういった席も充実しており、いろいろな用途で活用できるようになっている。
他にも、テーブル席やカップルシートも充実しており、幅広い層を取り込んでいると同時に、今度はあの席から観戦してみたいと思わせることで、試合内容だけではない軸で価値を提供する努力をしているのがよくわかる。
 
2つめが、徹底したマネタイズ力。
まずは球場のいたる所に広告が掲載されている。看板に広告があるのは一般的だが、マウンドにも社名が入っており、ピッチャーが投げるたびにモニターに映るようになっている。
さらには、試合前後にグラウンドに入れるチケットを販売しており、何にファンや客が価値を感じるのかが徹底して考えられるのがわかる。
グッズの売り場や売り方もいろいろと考えられていて感心するばかりである。
 
3つめが、エンターテイメントとしての完成度
試合前から試合後まで、ただ野球の試合を見せるだけではないという姿勢が伝わってくる。
試合後はヒーローインタビューに加えて、花火まで上がり、さらに私が観戦した日は藤井フミヤが出てきて生歌を披露するという流れ。
多くの観客が最後まで残っていたのが印象的だった。
これだったら、野球が好きでない人もまた行きたいとなるだろうし、そのうち少なくない人がホークスファンになるだろうなと感じた。
 
こんな感じで、至るところで経営努力が感じられ、大変勉強になる観戦となった。
他球団もソフトバンクの真似をするだけで、NPBのレベルも上がるだろうなと思うのだが、やることがわかっていてもやり切るのは難しい。
自省も含めて、そんなことも感じた観戦であった。
 
ということで、ソフトバンクホークスの経営力はすごい、という話でした。