スキー場のレッスンビジネスはオワコンなのか

この週末、今シーズン3回目のスキー場に行ってきた。
スキーはこれまでに、学生時代にサークルの仲間と数回行ったくらいで、そのときもまったくうまく滑れなかったので、それ以来1回もスキー場に行ったことはなかったが、子どもとスキー場に行ったら楽しいかもしれないとふと思い立ち、今年スノボをはじめてみることにした。
うまくいかなくても3回くらいはチャレンジしてみようと思っていたのだが、1回目でこれは楽しいとなり、そこから数えて今シーズンは都合3回スキー場に赴くことになった。
 
さて、最初のころはただただ滑るのが楽しいという感じだったが、ターンの壁に阻まれることになる。
いわゆる木の葉滑りはできるのだが、ターンができない。できなくてもいいのかもしれないが、やはりスキー場に行ったからには普通のターンくらいはやってみたいと思うのが人情というもので、どうにかそこまではやりたいということで、YouTubeで予習をしてから臨むことにした。
 
この2022年、ネット上にはさまざまな上質なコンテンツが溢れており、スキーやスノボの分野でもわかりやすくおしえてくれる動画はいっぱいある。
それらのいくつか見ていると、ちょっとした違いはあるものの、共通点が見えてきて、ここが肝なんだなということがわかってくる。
おしえることが上手な人のコンテンツに手軽にアクセスでき、非常に便利な世の中になったと感じた。
 
こういった動画を見ていると、ほんとわかりやすいため、スキー場で行われているスクールやレッスンはもう不要となるのではないかと思った。
みんな動画で勉強してから現地で実践すれば、わざわざレッスンに参加する必要はないので、スキー場のレッスンビジネスはオワコンになるのではないかと、勝手に心配になるくらいだった。
 
しかしながら、見るのとやるのとでは大違い。私の場合、動画での説明のとおりやってみたが、スノボの板のコントロールができず、転けるしかなかった。
動画を見て予習しているから大丈夫と思っていた自分が恥ずかしくなり、少なくとも今の私には実際にその場にいて、おしえてくれる人が必要であると実感した。
 
こんな体験を通じて、これって動画教育と共通するなと思った。
リクルートスタディサプリのような教材が出て、選りすぐりの先生の授業に誰もがアクセスできるようになると、世の中の普通の先生は不要になる、と言われるようになった。
しかし、実際はスタディサプリのような動画を見て、自分で学習できる生徒は一握りで、多くの生徒にとっては寄り添ってくれる先生が必要で、今回の話もこれに似ている。
 
動画とオフラインの指導は、補完し合う関係であって、代替する関係ではないのである。たしかにおしえるのは上手な人に任せるのでいいのだが、それだけでは不十分で、各個人の進捗にあわせてサポートする人は依然として必要なのである。
もちろん、スキーや勉強のどちらでも、動画だけで先に進める人はいるだろうが、大多数の人はその両方を活用すればいいのである。
 
そう考えると、スキー場のレッスンはオワコンではなく、動画とうまく組み合わせて活用すればいいということになる。
なんならスキー場がYouTubeでレッスン動画を作成して、あの先生におしえてもらいたいという流れをつくってもいいかもしれない。
 
こんな感じで、私のスノボ初シーズンは終わったわけだが、来シーズンは動画での予習と現地でのレッスンをうまく組み合わせて、もう少し上達したいと思った次第である。
 
ということで、動画と現地のレッスンは代替関係でなく補完関係である、という話でした。