コロナ対策における総論賛成・各論反対

年末からコロナの新規感染者数が増えはじめ、全国各地でまん延防止等重点措置が発令されている。
東京では病床使用率が50%近くになってきており、緊急事態宣言の発令も検討されているようだ。
 
私は、こういった社会的な制限をかけるかどうかで、判断すべき論点は医療体制の維持にあると考えている。
オミクロン型がいくら弱毒化しているとはいえ、感染者が増えれば医療キャパは圧迫されるし、また一定数重症化する人も出てくるので、医療体制を維持するためには、社会的な制限をかけるのはやむなしと考えている。
 
しかし勝手なもので、総論としてはこういった対策はやむなしと思っているのだが、いざ自分の身に関係してくると、そこまでやらなくてもいいのではないかと思ってしまう自分がいる。
 
先週は展示会出展で東京に出張に出ていたのだが、病床使用率が20%を超えるとまん延防止等重点措置が発令されるとのことだったので、毎日その推移を見守っていた。
当初は病床使用率が20%に到達しようがしまいが、どのみち制限をかけなくてはいけなくなるので、それであれば早めに発令したほうがいいと思っていたのだが、自分が東京にいるのとなると話は別で、自分が東京にいる間はやめてくれと思ってしまった。できれば出張の翌週くらいから発令してくれればいいのに、と。
結局、実施されたのは21日(金)からで、温浴施設に行ってそのあとビールでも飲もうと思っていたのだが、アルコール提供時間が限られていたため、風呂上がりのビールを飲みそこねてしまった。
今回はその程度で、私自身には大きな影響はなかったのだが、これが緊急事態宣言となると、制約はもっと大きくなり、かなり行動が制限されてしまうため、回避したいのが正直なところである。
 
事程左様に、人間わがままなもので、総論としては賛成でも、いざ自分の身に降りかかることは反対側に回ってしまう。
さらにコロナに関しては、このあたりの自分に関わるミクロな部分と、社会全体のマクロの動きが、直感的にリンクしにくいので、どうしてもミクロサイドからの意見が強くなってしまうよう思う。
自分の行動が制限されるのが嫌だから、社会全体での制限も必要ないという論法で、「コロナは風邪だ」と主張する人も多いように感じる。
しかしながら、上述したように、マクロでの論点をしっかり整理して、全体的な視野に立って政策は決定されるべきだし、われわれもそれに従うというスタンスが大事なのだろうな、と自分のわがままな気持ちを観察しながら、思った次第である。
 
ということで、各論が反対だから総論も反対とならないように気をつけたい、という話でした。