自治体の運営する施設だからといって休館にするのはやめてほしい

オミクロン型の影響か、コロナの新規感染者数が全国各地で爆発的な広がりを見せている。
この状況を受けて、世論は行動制限を強化すべきだという意見と、これ以上経済を止めるなという意見で二分している(実際は前者のほうがかなり多いのかもしれないが)。
双方の言い分はわからんでもないが、もう少しバランスの取れた考え方はできないものかと思っている。
私の考えは、ミクロで見れば各自がリスクを理解した上で自らどう行動を取るか考えるべきというのが基本だし、自分自身はそうするつもりだが、一方でマクロで見ると、リスクをきちんと理解しているはまだまだ少なく、また医療崩壊はあってはならないと考えているので、ある程度の行動制限はやむなしと考えている。
 
ただ、である。その行動制限の判断はあくまでも科学的に、論理的に行われるべきである。
私が住んでいる自治体では、自治体が運営する、もしくは関与している施設は軒並み営業を中止している。
図書館に、動物園に、あとは宿泊施設も。また、これは今回のことではないが、第5波のとき、感染が蔓延している大阪の水族館は営業しているのに、それよりかなり感染者数の少ない地域の水族館が休館しているということがあった。
 
これらは、正直やりすぎだと思っている。
 
やりすぎだと考える理由は2つ。
1つは、理論上必要ないと考えるから。
コロナ禍ももう2年が経ち、いろいろな情報や知識が共有されるようになった。その中で、感染経路に関しては、そのほとんどが飛沫感染ということもわかってきた。接触感染も感染経路の1つと言われているが、これは症状のある感染者がいる場合と考えてもよく、咳をごほごほしている人がいなければ接触感染はほぼないと考えてもいいだろう。
そう考えると、上述したような施設はかなり感染リスクは低い。図書館なんてベラベラしゃべる人はいないし、動物園に関しては屋外でもある。宿泊施設では基本他のグループとは接触しない。
これらの施設は、他の施設などと比べても、比較的感染リスクは低いくらいである。それなのに、自治体が関与できるからという理由で休みにするのは理解ができない。
 
もう1つは、自治体が運営したり、関与していない、同じような施設には制限をかけていないから。
例えば、宿泊施設がリスクが高いということであれば、民間の宿泊施設も営業を制限すべきである。ところが、宿泊施設に関しては、2年前から全国的に見ても営業に制限をかけるなんてことをしていないはずである。
それであれば、民間が運営していようが、自治体が運営(関与)していようが、同じように扱えばいいはずである。
にも関わらず、自治体が影響力を行使できるところだけ休止にするということは、役所が仕事をしている感を演出しているだけのように見えてしまう。
もしかすると、一部の騒ぎ立てる市民がいるのかもしれないが、ノイジーマイノリティに惑わされることなく、仕事を進めてほしいと願う。
 
こんな感じで、地方であればあるほど、まだまだコロナに敏感で、過剰反応する傾向にある。
とは言え、もう2年も経って、情報も知識もある程度蓄積されてきたのだから、少なくとも政策に関わる人は、リスクを理解して、それに見合った対策を実施してほしいと願うばかりである。
 
ということで、リスクに見合った対策をするというのは思っているより難しいのかもしれない、という話でした。