幼稚園のプール設営で感じた、リーダーの役割

先日、娘の通う幼稚園でプールの設営をするということで、手伝ってきた。
具体的な作業としては、マットを敷くこととテントを立てることくらいで、数名のお父さんと幼稚園の先生とで30分程度の作業だった。
作業自体は他愛もない感じでサクッと終わったのだが、ちょっと感じた改善ポイントをここではまとめておきたい。
 
改善ポイントは2つ。
1つ目は、完成イメージを共有するということ。
この手の作業は、とりあえず始めますかという感じでスタートしてしまうのだが、ゴールのイメージがないままで始まってしまうことが多い。
例えば、3ステップの作業だったとして、1→2→3の作業で、最終的にはこういう形になります、という説明を受けてから始めるとイメージを共有できて作業がしやすいのだが、とりあえず1をお願いします、と説明なしでスタートしてしまう。
これの何が問題かというと、作業の手戻りが発生する可能性があるから。
最後のイメージができていれば、2→1→3の作業順のほうがよかった、ということが事前にわかるのである。
今回も敷いたマットをずらすという作業が発生していた。最終イメージが共有されていればどこにマットを敷くかを決めてからスタートすればよかったかと思う。まあ、3分くらいの作業だったので大勢に影響はなかったのだが。
 
もう1つは、リーダー役を決めて、その人は指示に徹するということ。
作業をする人全員に最終形がイメージいるに越したことはないが、少なくともリーダーにはそれがあるはずである。
今回は先生には最終形のイメージがあるが、ボランティアで参加しているお父さんにはそれがなかった。
であれば、先生の中で一人がリーダー役になり、都度指示をしてくれたほうが動きやすい。
ただ、これはなかなか言うは易く行うは難しで、今回のケースで言えば設営をお願いしている側の先生が、手を動かさず口だけ動かすというのはなかなか難しい。
ボランティアで参加している側の人たちが、頼んでいる側の先生が動かないのかと思ってしまうからであり、またはそう思われてしまうのではないかと、頼んでいる側が思ってしまうからである。
ただ、こういうケースではリーダー役の人が適切に指示を出してくれるほうが、早く作業が終わる。お互いWin-Winのはずなのだが、なかなか理解を得にくい。
 
私は地元の某団体でイベントに携わることが多かったのだが、こういった場面に多く出くわした。
企画は少人数で行い、設営は団体全員で行うというスタイルが多かったのだが、設営の際、企画したほう人たちは、指示することをせずに自分たちで身体を動かしてしまうのである。
しかし、これは非効率で、全体イメージをもっているのは企画してきた人たちだけなので、設営段階では企画した人たちがリーダーとなって、自分は身体を動かさずに指示に徹したほうが早く準備は終わるのである。
 
このあたりは、設営をお願いしている手前、自分だけ身体を動かさずに口だけ動かすわけにはいかないという心理が大きく働くので、リーダー役の人が強く意識しないと難しいのかもしれない。
今回のプールの設営の例ではそんなに難しい作業ではなかったし、実際問題が起きたわけではなかったが、こういったことは仕事でもありそうなことなので、ちょっと頭の片隅に置いておきたいと思った次第である。
 
ということで、自分では身体を動かさず指示するだけという役割は、思っている以上に難しい、という話でした。