やっぱり医療キャパシティは増やしてはいけない

4月25日から、4都府県に緊急事態宣言が出てから、10日が経った。
潜伏期間を勘案すると、緊急事態宣言から出てから感染者数に変化が出てくるのは約2週間後になるのだが、少なくとも今のところ感染者数の減少には転じていない。
今回の緊急事態宣言は5月11日までということだが、おそらく延長されるのは間違いなく、5月末くらいまで継続するのではないだろうか。
2回目の宣言のときにわかったことは、感染者数が大きく増えてからの宣言だと、十分に下げ切る前に解除しなくてはならず、今回のように早晩増加に転じてしまうということ。
今回の3回目の宣言では、人流の制限の効果が出にくくなっており、宣言を延長してもどれくらいまで感染者数を下げることができるか、微妙なところだと思う。
ただ、今回の宣言も長くて1ヶ月程度で解除せざるを得ず、まだ感染者数が多いまま解除して、近い未来にまた感染者数が増えるという繰り返しになるだろう。
 
そんなことを考えたところ、Twitterのタイムラインにこのようなツイートが流れてきた。
 
 

 

内容としては、マスコミは医療キャパシティは増やせと言ってきたが、どの都道府県もこの1年で病床数を大きく増やしている、というもの。
これだけ見ると、病床数が増えることはいいことのように見えるし、なんだかんだで、国も地方も行政はきちんと仕事をしており、病床確保をしてきたということがわかる。
ただ、それでも、多くのマスコミや国民は、まだまだ足りない、もと増やせと言いたいのかもしれないが。
 
しかし、この病床数を増やすという行為、ほんとにいいことなのだろうか。
今この状況をどうにか乗り切る、近い未来の医療崩壊を避けるという意味では、病床数や医療キャパシティを増やすことはいいことのように思える。
でも、少し長い目で見たとき、医療キャパシティが増えれば、そこまでの感染を許容するということになり、その分感染者が増えてしまう。
そして、感染者数を減らさないといけない局面になるのが遅くなり、対策スタート時点の感染者数がどんどん多くなってしまうのである。
 
実際、1回目の緊急事態宣言は、紆余曲折ありながらも、約1ヶ月の期間できっちり感染者数を抑制することができたのは、スタート時の新規感染者数が少なかったからである。
しかし、2回目の緊急事態宣言では、発令時の新規感染者がかなり多かったため、(対策が飲食店の20時閉店に限られていたこともあるが)十分に減らすところまで至らずに解除して、すぐに再度増加に転じている。
 
要するに、がんばって医療キャパシティを増やせば増やすほど、感染者増が許容されてしまい、緊急事態宣言のような強い制限をかけても焼け石に水になってしまうわけである。
足元の状況をどう打破するかは大事なことかと思うが、今回の波が治まったら、むやみに医療キャパシティを増やさないことが大事かと思うが、いかがだろうか。
 
ということで、抑え込むには感染者数が少ないうちに対処したほうがいいということはなかなか理解されない、という話でした。