新型コロナはバラつきが多いことが分断を生んでいる

新型コロナの問題が顕在化してから1年以上が経つ。
世間の理解や政策に対する意見も、そろそろ集約してきても良さそうなものだが、一向にその気配はない。
それどころか、ますます分断されていっているように思う。
 
自粛を求める層と、経済を優先すべきという層はますます先鋭化しており、程よいところを探ろうということにはなっていない。
新型コロナは健康を害するということだけでなく、社会的な分断を引き起こすという意味のおいても、特異で怖ろしいウイルスであると思う。
 
では、なぜ新型コロナは社会的な分断を誘発するのか。
ふとそんなことを考えた結果、例えばインフルエンザに比べて、バラつきが大きいことが原因ではないかということに至った。
2つの点において、バラつきが大きい。
 
1つ目は、潜伏期間のバラつき。
インフルエンザはだいたい1~2日程度の潜伏期間に対して、新型コロナは3~14日と言われている。
これはウイルスの増殖スピードの差によって引き起こされているようだが、この潜伏期間のバラつきの大きさが疑心暗鬼を生んでいる。
症状があれば隔離するのは容易だが、症状はないけど感染している人がいて、さらにはその人が他に感染させる可能性があるということが、このウイルスの最大の特徴と言っていい。
 
もう1つは、症状のバラつき。
インフルエンザは感染すると多くは高熱が出るのに対して、新型コロナは症状が出ない人から、重症化してさらには死亡してしまう人まで、その差が大きい。
これも増殖スピードに関係していて、インフルエンザに比べて遅いので、感染しても増殖が抑えられ発症しない人もいるのであろう。
一方で、その人の体調や基礎疾患の有無などによって、免疫が十分でない人には着々と増殖し、重症化してしまう。
この症状のバラつきの大きさが、コロナに対する認知の差が生まれる最大の要因であるのは間違いないだろう。
症状がない、もしくは軽いという状況を見る人にとっては、ただの風邪に映るだろうし、重症化の側面を見せられた人にとっては大変なウイルスであると認知される。
当然、対策に対する意見も大きく異なってくる。
 
さらには、年代によっても症状のバラつきが大きい。
比較的若年層での重症化例や死亡例が極端に少ない。一方で高齢者層のリスクは高い。
そういった特徴があるものだから、高齢者は外出せず家に引きこもり、若者は街に出て経済を回せ、といった意見も出てくる。
 
 
ウイルスが猛威を奮ったとしても、多くの人にとってその症状や影響のバラつきに差がなければ、これほどの分断はなく意見もある程度は集約されたであろう。
ウイルスの感染力や症状の大きさ以上に、バラつきの大きさは社会的なインパクトに直結するのだなと感じた次第である。
 
ということで、意見が集約され、1つにまとまることができれば、もっと早い段階で収束させることができたかもしれないと思った、という話でした。