新幹線という名のオフィス

全国でまだまだコロナの感染拡大が止まらない状況ではあるが、新年度ということで、東京・大阪と挨拶まわりの出張に出た。
いつも言っていることだが、風邪の症状(発熱や咳)がある人がいなければ、短距離で長時間の会話をしなければ感染の可能性はかなり低いので、問題なしと判断して出張に出ることにした。
もちろん、会食はなしである。
 
うちの会社は最寄り駅が新幹線停車駅ということで、私は出張の際はもっぱら新幹線を利用する。飛行機を使うのは、コロナ前でも、年に1回あるかないかである。
ただ、東京に出る際は、新幹線で4時間以上かかる。
これは、なかなかの時間だとは思うが、いつのころからかこの時間がまったく苦痛ではなくなった。
 
私は、大学・前職・大学院と12年間東京に住んでおり、そのころ帰省するときはかなり長いなと感じていたが、地元に戻って、頻繁に東京へ出張に出るようになってから、徐々に新幹線の移動が苦痛ではなくなったと記憶している。
 
その理由を考えると、いくつか考えられるが、一番大きなのは、単純に慣れであろう。
それまでは、年に2~3回程度しか新幹線に乗らなかったが、地元に戻ってからは少なくとも2ヶ月に1度、多いときは毎月利用しているので慣れてきただと思われる。
座るのに慣れたということもあるが、車内でやること・やれることがわかってきたということが大きい。
パソコンを使っての仕事、読書、睡眠。
集中が必要な作業でも捗るし、疲れたらすぐに休むことができる。
 
新幹線は比較的ゆったりしており、トイレに行くのも自由だし、席のリクライニングもかなり下げることができる。 
それに対して、飛行機は座席がいかにも狭く、またよほどのことがないと席を離れるのに気兼ねする。
そんなこともあり、駅が近いというだけでなく、移動時間も有効に使えるので、私は飛行機ではなく新幹線を多用している。
 
今回も、行きの新幹線であれもしようこれもしようと乗り込んだ。
朝の日記に、今抱えている懸案事項のまとめ、社内会議での課題図書、できればブログも書きたいし、他にもやりたいことは山ほどある。
結果、懸案事項を整理してまとめて、ブログで何を書こうかなと考えていたら到着してしまった。
課題図書も読めなかったし、他にもこの時間でやってしまいたいことができずじまいだった。
それでも、一人でゆっくり考える時間があったのは助かった。
ここ数日、いろいろな課題が降って湧いてきて、少し混乱していたのだが、落ち着いて考えることができ、頭の中を整理することができた。
 
移動するための時間は少なければ少ないほうがいいと一般的には思われているが、使いようによっては有効活用できる。
とくに新幹線は、集中しているときに、まわりから何か遮られることがない。電話でさえも、移動中だからということで出なくても許される。
今はコロナで出張の機会も少ないが、新幹線に乗るときはこの時間をもっと有効活用しないといけないなと思った次第である。
 
ということで、新幹線をオフィスしたいなと思った、という話でした。