東京駅の人出と感染者の増加の関係

今週は東京に出張してて、昨日(3月12日)帰りの新幹線に乗る前に、東京駅でお土産と弁当を買ったのだが、平日とは思えないほどの人出だった。
とくに印象的だったが、お土産屋での売り切れの商品が多かったこと。
まだ15時くらいだったが、こんなことはこれまでなかった。
 
小売では余るよりも欠品のリスクをおそれるので、普通は多めに仕入れるのが、緊急事態宣言の延長で少なめの発注となったと予想される。
要するに、ここまでの人出になるとは予想していなかったということだろう。
 
昼間の駅やデパートの人出それ自体が、感染に大きな影響を与えるということはまずない。
いつも言っていることだが、マスクなしで咳をしまくっている人でもいなければ、例え無症状の感染者がいたとしても、短距離(1m以内)で長時間(15分以上)話し込むようなシチュエーションはほぼないので、感染が広がりようがない。
だから、これだけを見て、人出が多いから感染者が増えているのだ、なんて言うつもりはない。
 
しかし、実際に見ていないので憶測だが、おそらく夜の街の人出も、この東京駅のように増えているのであろう。
緊急事態宣言で飲食店は20時まで営業としているところが多いのだろうが、それでも人出が多ければ、その分だけ感染のリスクは高くなる。
昼の駅やデパートと逆で、どうしても短距離・長時間での会話になってしまうから必然的にそうなる。
 
実際、東京では、今週5日連続で前週の新規感染者数を上回っているとのことで、ここから2週間後はさらに増えていることが予想される。
 
もう緊急事態宣言は効力はかなりなくなっているのだろう。
しかし、緊急事態宣言ならびにその延長がなければ、もっと増えていたと思われる。
緊急事態宣言を延長してもダメだったと見るか、延長したからこの程度で済んでいるとみるかは難しいところである。
 
では、どうすればいいのか。
再延長しても、効果が薄いとなれば、コストがかかりすぎて、これ以上延ばすことはできなくなるし、宣言を解除してしまえば、さらなる感染者増につながる。
八方塞がりである。
 
正直、対策の具体案は思い浮かばないが、ここから学べる教訓は2つある。
1つは、緊急事態宣言やロックダウンといった制限のきつい政策は短期勝負だということ。
今回の緊急事態宣言は20時以降の飲食店に関する制限がメインで、私もこのくらいの対策でいいと思っていたが、結果を見るとこれでは緩かったのだろう。
やるのであれば、多少厳しくても短期間で終わるようなものでないといけない。
 
もう1つは、感染者が増えきってからの宣言では遅いということ。
山が高くなればなるほど、そこから下げていくには時間がかかる。
緊急事態宣言を出すのであれば、もっと早く、山がそれほど高くない時点で出さないといけないということなのだろう。
できれば、ゼロ付近で貼り付けるようにするほうが望ましいと思うが、良くも悪くも民主的な日本では難しい。
だとすれば、どのくらいが妥当か。東京であれば、新規感染者数が1日500人超えたら出すくらいが現実的なのではないだろうか。
 
ということで、ここから数ヶ月は何をやってもグダグダになることが予想される、という話でした。春になって気温が上がってくることで多少落ち着いてくればいいのだけど…。