今年とか去年とかいう相対的な表現の紛らわしさ

うちの会社は12月決算で、1月のこの時期に決算業務をやっている。
この時期は決算に関する報告会議が何度かあるのだが、毎度「今年」とか「去年」という言い方で混乱する。
 
今回の決算は2020年のものなので、2021年の現在から見ると「去年」なのだが、「今回の」と書いたように今やっている決算なので、「今年の決算」というような言い方をしてしまう。
これは、今処理を行っている分の決算ということで、必ずしも間違いではないのだが、同様に前回の決算である2019年の決算を、「去年の決算」と言ってしまい、これは非常に紛らわしい。
 
なぜなら、この「去年の決算」は、去年の1月ごろに処理をした2019年の決算とも取れるし、文字通り去年の2020年の決算とも取れる。
だから、毎度、去年とか今年とか使わずに、2020年とか2019年といった表現で言うように注意するのだが、自分も含め議論が白熱すると忘れてしまい、「今年」とか「去年」とか使ってしまう。
そして、1年経つと忘れてしまうので、毎年同じことをしてしまう。
 
このようなことが起こってしまう原因は2つある。
1つは、年をまたぐタイミングで決算処理としているということ。
これが3月決算であれば、今年とか去年とか使っても、(たぶん)問題にならないと思う。いや、なるかも。
おそらく8月決算とかであれば、問題になりにくそう。
どちらにしろ、時間の区切りが切り替わるタイミングだと、その前後でどちらを基準にしているのかがわかりにくいので、紛れの要素が多くなりそうである。
 
もう1つは、「今年」とか「去年」という表現が相対的なものであるということ。
ここでいう相対的というのは、何かしら基準があって、そこから時間的な距離を表すという意味である。
今(の年)を今年として、それより1つ前を去年、1つ後を来年と表現する。
相対的の対の概念は絶対的だが、この場合の絶対的表現だと、2021年とか2020年とか2022年とかで表現することになる。
上の問題も、相対的な表現でなく、絶対的な表現で説明すれば問題は起こらない。
ただ、毎度2021年と言うと、ちょっと長いし言いにくい。だからどうしても、相対的な表現である今年という言い方を使ってしまう。
 
相対的な表現は、一般的にコンパクトになるので、言いやすく、それ故使いがちであるが、時と場合によっては絶対的な表現のほうが解釈の違いが起きず、トータルでみると時間コストがかからないということもあるので、ちょっと頭に入れておくといいと思う。
 
ということで、相対的な表現ではなく、絶対的な表現のほうが紛らわしくなくていいですよ、という話でした。