感染をきちんと報告するだけで、感染の増加に歯止めをかけられるのではないだろうか

2020年も終わりそうな今日このごろ、各地で新型コロナウイルスの感染者数が増加の一途を辿っている。
うちの会社の従業員も感染者の濃厚接触者ということでPCR検査を受けているし、また近くの大企業でも感染例が出てきている。
さらには、私の住んでいる地域でもクラスター感染が発生し、日に日にウイルスは近づいてきている感覚がある。
 
ところで、クラスターと聞くと、何か大変なことが起きているに違いないと思ってしまいがちだが、感染経路が確認できているので安心という側面もある。
確かに一度に多くの人数が感染するため、そこから大きく広がりそうな印象を受けるが、こういった事例ではその後もきちんと抑えにかかるであろうから、感染を防ぐという面においては大きな問題ではないと個人的には思っている。
 
それに対して、いまだに、体調が悪くても検査を受けなかったり、感染者の濃厚接触者であっても検査を受けないというケースが多いようだ。
よく感染経路不明として扱われるが、自分が発症した場合はもとより、まわりで感染者が出た場合に濃厚接触があったかどうか、本人としては間違いなく心当たりはあるはずである。
それをきちんと報告しなかったために、感染が広がることのほうがよっぽどこわいように私は感じる。
風評を気にしたり、やましい気持ちがあったりで、言い出しにくのはわかるが、きちんと報告しておけば防ぐことができた感染は多いはずだ。
 
一方で、会社のオフィスで感染が出ると、いわゆる定義上の濃厚接触者だけでなく、同じフロアの人たちにもPCR検査を実施し、陰性であっても濃厚接触者同様に出社しないようにと、保健所から指導が入るようなケースもあるらしい。
PCRを受けるのはいいとして、濃厚接触者でもないのに出社を認めないというのは正直やりすぎだと思う。
おそらくだが、濃厚接触者=PCR検査実施者という区分しかだと思われるが、もう少し柔軟な運用はできないものだろうかと思ってしまう。
 
いわゆるオフィスとか工場とかの純然たる仕事場では、感染が起こる確率は極めて低いと考えるが、こういった確率の低いところで必要以上の対策を行い、一方で報告がないために本当は対策しないといけないところが抜け落ちているというチグハグなことが、全国各地で起こっていると思うと、いつまで経ってもこの状況からは抜け出せないのではないかと思ってしまう。
 
みんなで感染を防ぐような行動をすることは大事だけど、それと同じくらい感染が起きたときにきちんと情報開示するということが大事だと思う。
ここでいう情報開示とは、何も個人情報含めてすべてをオープンにするということではなく、体調が悪い場合と、濃厚接触があった場合、疑わしい感染経路を保健所にきちんと報告するということである。
以前、このブログでも、国民の多くが感染の原則ということを理解すれば、ワクチンと同じ効果をもつのではないかと書いたが、同様に感染が疑わしいときはきちんと報告する、が徹底されれば感染者の増加は止められるのではないかと思う。
 
今後まだまだ長期戦が予想される新型コロナウイルスへの対応。
感染が出たときに、その人たちを叩くのではなく、よく報告してくれたという空気をつくっていかないとこの長期戦を乗り越えることができないのではないかと思う、という話でした。