子育てとは人生を二度経験すること、だけれども。

うちの娘がうまれたのが5年前で、当然のことながら今年5歳になる。
30歳前後くらいから1年1年時間が経つのが早くなってきたのを感じていたのだが、それに対してこの5年は振り返ってみると長かったように感じる。
正確に言うと、仕事に関する1年は短いのだが、育児に関する1年は長いという感じであった。
 
歳を取るにつれて、1年1年時間が経つのが早く感じるという現象は、「ジャネーの法則」で説明されている。
このジャネーの法則、要約するとこういう感じだろうか。
・歳を取るにつれて、体感時間が短くなる
・新しいことをすると、体感時間が長く感じる。
 
子どものころは、何もかもが新しいことばかりで、それゆえ時間密度が濃くなり、時間が経つのも長く感じられるのに対して、大人になるに連れて経験したことが多くなり、時間密度が薄くなっていくことである。
30超えるとあとは坂道を転がり落ちるように年をとっていくと言われるのは、この法則で説明ができる。
一方で、大人であっても新しいことに挑戦すれば、その体感時間を長くすることができるというわけである。
 
私の場合、能動的に挑戦したという感覚ではなかったが、結果として子育てというのが新しい挑戦に該当しており、その期間の体感時間は長く感じたということだろうか。
そんな感覚を通じて、子育てとは人生を二度経験することなんだな、としみじみと感じていた。
 
ここ数年、そんなことを思っていたのだが、最近別の感覚を覚えた。
うちの娘は今年幼稚園の年中で、夏休みも終わり二学期を迎え、もう9月ということで1年の半分が終わろうとしているのだが、この前半戦の時間が経つのが早かったのである。もう半分も終わったのかという感じである。
去年は年少ということで、いろいろな行事ごとに右往左往していたのだが、それにも慣れたのかスッと過ぎてしまったという感じであった。
今年の場合は、コロナの影響で行事が少なかったということも影響しているのかもしれないが、それにしてもあっさりという感じだったのである。
 
今年はむしろ、仕事のほうでは、コロナもあったし、会社で大きな事件もあって、こちらのほうが長かったという感じだったのだが、こと育児に関しては時間が経つのが早いという印象である。
人間、こうも簡単に慣れていくのだ、ということを実感した。
 
そう考えるとちょっとゾッとした。育児を通じて新しい世界に触れ、人生の体感時間を長くできると思っていたのが、その育児にも慣れてきて新鮮さを感じることができなくなってきているのではないか、と。
あわせて、育児だけでなく、仕事に関してもプライベートに関しても、もっと能動的に新しいことに挑戦したり、新しい環境に身を置かないといけないなと、想いを新たにすることができた。
 
そろそろうちの家族にも二人目の子どもが産まれるのだが、この子どもが二人になるということが自分にとってこれまでにない新しい経験となるのか、それとも二人目ということでもう慣れている出来事になるのか、興味深く、自分の感情・感覚をウォッチしていきたいと思う。
 
ということで、1年に1つくらいは新しいことをはじめないといけないな、と思ったという話でした。