今年も暑い暑いとは言うけれど

今年の夏も暑い。
8月は連日猛暑日が続いた。うちの会社では工場運営しているので、毎年夏は熱中症対策を実施しているが、年々その対策も増えてきている。
 
思えば、自分が子どもころと比べると、真夏の最高気温は5℃くらい上がっているイメージがある。
子どものとき(30年前くらい)は30℃を超える真夏日になれば十分に暑かったが、最近はさらにその上の35℃が当たり前になっている。
だからこそ最高気温35℃以上の猛暑日が設定されたのだろう。
そんな感じで、30年前は35℃を超えるということは稀であったが、最近では当たり前になってきており、このような最高気温はさらに上昇もしくは高止まりすることはあっても、下がることは(少なくともここ数年では)ないだろう。
猛暑日は毎年確実にあり、よって毎年今年も暑かったという印象が残っていくことになる。
 
しかしである。この猛暑日は毎年確実にあるのだが、その猛暑日がどのくらい続くかは、年によってだいぶ変わってくる。
今年も間違いなく暑いのだが、梅雨明けが7月末(地域によっては8月に入ってから)で、最高気温が35℃を超えるような本格的な暑さになったのは8月からだった。
そして、天気予報を見ると、今週末来ることが予想される台風が過ぎると、最高気温は30℃を少し超えるくらいで、9月は猛暑日は少なくなりそうである。
となると、ほんとに暑かったのは8月の1ヶ月だけということになり、今年も暑かったが、ここ数年に比べると本格的に暑かった時期は短かった、ということなる(9月がこれからどうなるかわからないが…)。
 
そんな今年に比べると、2年前の2018年はこの本格的に暑い時期がかなり長かった。
ぼんやりとしたイメージであるが、たしか7月初旬から猛暑で、それが9月末まで続いたように記憶している。これが正しければ、本格的に暑い時期が3ヶ月あったということになる。
そう考えると、本当に暑かった時期が1ヶ月だった今年と比べると、その期間が3ヶ月あった2018年は、3倍暑かったと言えるのではないだろうか。
 
何が言いたいかというと、ニュースなど見てると、毎年熱中症が話題になり、今年も去年までと同じように暑かったという錯覚に陥るが、その期間にまで目を向けるとその印象はだいぶ変わってくる、ということである。
人間はどうしても最高値が記憶に残りやすいので、この場合で言えば最高気温が高いと同じような印象になってしまうが、冷静に時間という要素も入れてみるとだいぶ違ってくるというわけである。
 
今年のようなコロナ禍においては、(あまり意味はないのだけど)外でもマスクをつけるのが当たり前になっていて、熱中症患者が増える危険性があったが、幸い猛暑の日が短かかったということでだいぶ抑えられているのではないだろうか。2年前のような暑さが長く続くようなことになれば、熱中症患者数もこの程度では済まなかったはずである。
 
ということで、他にもこのように最高値(もしくは最低値)にとらわれて、時間という概念が含まれなかったことで、誤った意思決定がなされるような事例がないか、考えてみたい、という話でした。