今年2020年はまさに新型コロナウイルスの年で、年初からこのウイルスに振り回されているのだが、さすがに半年も経ったので、みんなそろそろこのウイルスのことや感染について理解しはじめてきたのかなと思っていたが、どうもぜんぜんそうではないらしい。
私自身は3月くらいから、これは長引くと感じ、経営や生活に影響が出そうだということで、いろいろな文献を読んだりして勉強してきた。
そのおかげもあって、感染の原理・原則あたりはある程度理解できたと思っている。
しかし、どうもまわりの人と話をしていると、まだそんな感じでイメージしているの?と疑いたくなるような理解しかしていない人が多いことに気づいた。
また、あまり何も考えておらず、とりあえずマスクをするか、出歩かなければいいと、漠然と思っている人も多い。
そこでこの記事では、(おそらく)多くの人がもっているイメージというか錯覚と、実際どうすれば感染してどうすれば感染しないのかの具体的なイメージを、対比しながらまとめてみたいと思う。
錯覚1
多く人が勘違いしてもっているイメージ:感染している人に近づいたら感染すると思っている
実際の感染イメージ:基本、喋らなければ感染しない
多くの人は、感染している人に近づいたり、触れたりしたら、その人から感染すると、漠然と思っているようだ。
なかには、身体全体からウイルスが出てくるようなイメージを持っている人もいるらしい。
しかし、ちょっと考えたらわかるが、普通の風邪と同じく、新型コロナウイルスは主に上気道に感染して増殖する(一部下気道まで入って重症化する)ので、感染している人からウイルスが体外に出るには、飛沫といっしょに口か鼻から出てくるしかない。
となると、咳やくしゃみをしてウイルスをばら撒いている人がいれば当然感染のリスクは高くなるが、こういう人がいなければ、仮に無症状の感染者がいたとしても、短距離かつ長時間(しかもマスクなしで)会話をしないと、感染するほどのウイルス量を吸い込むということはなく、よって感染のリスクもかなり低いのである。
錯覚2
多く人が勘違いしてもっているイメージ:東京などの感染が流行している地域に行くと感染すると思っている
実際の感染イメージ:これらの地域にはたしかに感染者は多いかもしれないが、その人たちを喋らなければ感染しないし、行っただけでは感染しない
地方で、東京からの来客があると、ウイルスを運んできた人と思われるし、逆に地方から東京に行って帰ってくると感染者扱いをされるが、これはそういった感染が広がっている地域では、ウイルスが浮遊していると錯覚している人が多いのだろう。
これも言うまでもないと思うのだが、ウイルス自体は単体では生存できないし、増殖できないので、人(動物)の体内に入って、細胞に入り込み、その細胞が分裂しないと、ウイルスも増殖できない。
そして、そこから体外に出たとしても、長時間生き続けることはできないので、ウイルス単体が浮遊し続けるということはありえない(厳密にいえば、マイクロ飛沫が浮遊している可能性はあるが)。
もちろん、感染が流行している地域では、相対的に感染している人は多いので、そういった人と接触する可能性もあるだろうが、上述のとおり、感染者がいても短距離・長時間で会話しなければ感染する可能性は低い。もちろん、大人数のいる場所での飲食や、いわゆる「夜の街」と言われるようなお店にいけば、その分感染のリスクは上がるが、そういう「3密」をきっちり避けておけば、東京に行ってもそれほど感染リスクは高くないのである。
錯覚3
(多く人が勘違いしてもっているイメージ)ウイルスが1つでも入ってきたら感染すると思っている
(実際の感染イメージ)ウイルスはある一定数以上入ってこないと感染しない
これも多くの人がもっているイメージかと思う。体内にウイルスが1つでも入ってきたら、すぐに感染すると思っているのである。
そもそも感染とは、ウイルスが体内の細胞に入って増殖することをいう。なので、仮にウイルスが体内に入ってきたとしても、その量が少なければ、細胞の中には入ってこないし、入ったとしても増え始める前に免疫の効果で叩かれてしまえば、感染しない。裏を返せば、ある程度の量のウイルスが入ってこないと感染しないのである。
繰り返しになるが、咳やくしゃみをして、一度に多くのウイルスをばら撒くような症状のある感染者がいなければ、仮に無症状の感染者がいたとしても、よほど短距離で長時間会話しない限り、多くの量のウイルスが入ってくることはないのである。
少々のウイルスが入ってきたとしても、健康的な生活をしていれば、なかなか感染・発症しないのである。
以上のように、多くの人が感染に関するイメージを勘違いというか錯覚していて、具体的なイメージができていないため、必要以上におそれることになっていると思われる。
咳・くしゃみ・発熱など症状がある人は休む、を徹底することを前提に、いわゆる「3密」を避ける、不特定の人と長時間・短距離で会話しない、手洗い・アルコール消毒をこまめにする、あたりの基本を徹底しておけば、それほど感染をおそれる必要はないのである。
どこかのメディアがこういう基本を紹介してくれれば、それだけで感染に対する誤解が少なくなり、また的確な対策ができるようになると思うのだが、どうだろうか?
ということで、少しだけ解像度を上げてイメージしてみると、理解が進むという話でした。