今後のコロナ対策、こんな感じになるのかなという予想というか私見

新型コロナウイルスの感染者が東京を中心に増加傾向にある。
4月とは状況が違って検査数が多いとか重症者は少ないといった意見はあるが、増加トレンドであることは間違いない。そして感染者が増えれば、さらに感染者は増えることになり、それに伴って重症者も増えてくるだろう。
ということで、早期の対応が求められているが、一方で、経済への影響を考えて4月に出された緊急事態宣言のような強い要請も出しにくい。
 
個人的には一度感染者をゼロにするところまで抑え込んだほうが、結果として経済にもいい影響を与えるのではないかと思っているのだが、どうもそういう動きにはならなそうなので、今後感染防止と経済とのバランスをどう取って、どう対策していくのか、予想というか私見をまとめておきたい。
 
以下では密の多さで業態を分けて、それぞれの対応策を簡単にまとめておきたいと思うが、その前に、新型コロナウイルスというかウイルス感染の基本的な考え方を整理しておく。
 

基本的な考え方

1.ウイルスが体内に1つ入ってきたら感染というわけではなく、ある程度の数が入ってこない感染しないし、そこからさらにある一定数まで増殖しないと発症しない。
 
2.感染ルートは飛沫感染接触感染の2つがほとんどで、さらに飛沫感染がメイン。接触感染では一度に多くのウイルスに触れる可能性は低いので、基本手洗いやアルコール消毒で対応でよいかと考える。
 
3-1.症状がある感染者は咳やくしゃみで飛沫感染させる可能性が高いので、熱があったり咳がある人は「休む」を徹底すべし。
 
3-2.無症状の感染者であれば、短時間の会話で感染する可能性は低いので、長時間・短距離・マスクなしでの会話をできるだけ避ければ、感染リスクはかなり下げることができる(基本会話をしないければ感染はほとんどしない)。
 
以上の基本的な考え方をもとに、3密業態、2密業態、1密業態、それぞれの対応策を考えていきたい。
 

3密業態

密閉✕密集✕密接:ライブハウス、カラオケ、ラウンジ・キャバクラ・ホストクラブ
これらの業態は、今後感染者が増えれば営業は難しいのだろう。やれる対策としては、人数制限をする、換気をこまめにする、来店者の管理を徹底するあたりだろうか。
感染防止対策も大事だが、感染した場合に追跡できるしくみもそれ以上に大事になってくるので、来店者の管理は営業するというのであれば必須かと考える。
 
いわゆる「夜の商売」は店側も客側も、来店の事実を隠したいというインセンティブが働くが、それゆえきちんと管理して追跡できるようにしておかないと世論的にも営業が難しくなるだろうし、また客側も安心して来店できないということになると思う。
よって店側には誰が来たかを隠すのではなく、きちんとリスト管理するという姿勢が求められる。それがどうしてもできないということであれば、代わりにコロナ接触確認ア
プリ(COCOA)のインストールを義務づけるといった対応も有効かと思う。
 

2密業態

密閉✕密集:図書館
基本的な考え方3-2にあるように、会話をしなければ感染することはほぼない。図書館であればそもそも会話は禁止なので、熱や咳といった有症状者がいないという前提であれば、問題はないと考えられる。よって、会話は原則禁止、会話するならマスクを着用、を徹底することで対応したい。
密集✕密接:スポーツ観戦、コンサート・ライブ、展示会、屋外のイベント
屋外の活動であれば、ウイルスが滞留することはほとんどないので、感染のリスクはかなり低いと考えられる。また、屋内であっても大型の施設は、外にいるのと同様の換気設備が設置されている。よって、ほとんどのスポーツ観戦は大きな問題はないと考えられる。ただ、飲酒があったり、興奮したりすると、大声の会話になってしまいがちなので、席の間隔を開けるといった対応は止む得ないだろう。
 
大型施設での音楽関連のライブ等については、上記のとおり換気は問題ないし、基本飲食は伴わないので、マスクをすれば大きな問題はないと考えられる(各自が声をださなければ密集だけでの1密かもしれない)。
 
展示会は、換気設備がしっかりしている施設で行われるが、やはり会話の時間が長くなることが気になる。マスク着用の義務化で事が足りるのかどうか微妙なところ。個人的には経営者として、展示会は有効的なマーケティングツールだと考えているが、このような状況で出展するかどうかは判断が難しい。
 
その他、多くの屋外のイベントについては、有症状者を入れないということが徹底しにくいのが難しいところか。とはいえ、札幌の雪まつりでも、スタッフ以外では感染はなかったということなので、それほどピリピリする必要はないのかもしれない。
密接✕密閉:居酒屋
居酒屋は人口密度が上がれば、3密業態に格上げされてしまうので、まずはグループごとに隔離するのが対策になるだろう。仮にグループ内での感染が起きたら自己責任だが、店側としたら他グループからの感染は防ぎたいところ。なので、グループ間のソーシャルディスタンスを図るために、個室やパーテーション、距離を取るなどの対応が必要だろう。あとは時間を区切ることで感染のリスクを下げることができるので、2時間制を徹底するなどもひとつかもしれない。
判定が難しい業態:スポーツクラブ、温浴施設
これらは、基本密閉空間で、人が多ければ密集になる箇所はあるし、会話をすれば密接になるという業態で、あわせ技で1.5~2密くらいだろうか。
 
スポーツクラブは、なるべく会話をしない、というのを徹底するのが手っ取り早いと考える。会話が必要なときはマスクで対応するくらいで。一方で、黙々と運動している人にまでマスクを強要するのはやりすぎであると考えるし、逆にマスクをしたままでのランニングとかは危ないかもしれない。
ただ、高齢者を中心に会話をしにきているような人も多いので、徹底させるのは難しそう。とはいえ、営業停止になると会社側も客側も困ると思うので、協力を促したいところである。
 
温浴施設については、浴室内は基本問題ないと考えるが、脱衣所やサウナとかは多少リスクがありそう。ここも会話をしないということで対応したい。もともと、サウナで大声で話す人は迷惑なので、これを機に徹底してほしいと思う。
 
あと、2密業態も、3密業態同様、感染防止だけでなく、感染者が出た場合も追跡のしくみが必要と考えるので、こちらもコロナ接触確認アプリ(COCOA)のインストールを義務づけるといった対応をしたほうがいいかと思う。
 

1密業態

密閉:飲食店(あまり会話を伴わない)
こういった店は滞在時間も短いので大きな問題はないと考えられる。接触感染のリスクもなくもないが、入店時と帰るときにアルコール消毒を徹底すれば問題ないだろう。
密集:パチンコ、演劇、映画館、新幹線・飛行機(での移動)
これらの業態は、一般的には密集✕密閉と思われがちだが、上記のとおり換気設備が充実しているため、密閉ではないとしてもいいだろう。よって、有症状者を入れないということを徹底できれば問題ないと考えられる。ただ、滞在時間は長くなりがちだし、熱があったり、咳をしたりする人も、一定数紛れ込む可能性もあるため、マスクの着用あたりは義務化してもいいかもしれない。
密接:公園
無理やり公園を密接の施設としてみたが、そんなに密集していない公園で話しながら遊ぶのは、ほぼほぼ問題ないだろう。
 

0密業態:キャンプ場、ゴルフ場

私はよくキャンプ場に行くのだが、ここはほぼノーリスクと言っていいだろう。あえて言えば受付が密閉なところもあり、仮に人が集まれば密閉✕密集になるが、短時間だし、そんなに会話もしないだろうから過敏になる必要はないと考える。
 
ゴルフも基本プレー中は0密でほぼノーリスク(カートに乗っているときに会話すれば密接とも言えるが)と考えられる。多少リスクがあるとすると、飲食と風呂。これは2密になるので注意が必要。あと、注意したいのが車での移動。これは密閉✕密接になるので、仮に無症状の感染者がいたとして、会話しながらゴルフ場への行き来をすると感染のリスクは高まる。よって、できるだけ個別で移動するといった対応が必要かもしれない。
 
 
ということで、以上、密の多さで分類してそれぞれの対応策を考えてみた。
密の数は多いほど、感染させないための対応が多くなるのだが、すべての業態で共通しているのは、個別の対応においてはゼロリスクにするのではなく、ある一定コスト内でリスクを低減させることを実施して、一方で仮に感染したときに追跡できるしくみをつくるということが大事ということだろう。
 
現在の日本の対応を見ていると、個別の対応ではゼロリスクにすることに腐心しすぎているのに対して、全体で見ると感染者を追跡するためのシステムがきちんとできていないために、結果として国民に負担させるコストが増えているように見える。
 
それとは逆で、個別にはコストに見合ったリスク低減策を実施して、全体では感染者が出てもきっちり追跡してそれ以上広げないとことが大事であると思う。
なので、まずはコロナ接触確認アプリ(COCOA)のインストールをしている人しか入店できないように義務づけるといったことを実施して、ある程度は感染者追っかけることができるようにするのがいいと思う。
このアプリでは、感染者と濃厚接触した人への検査は強制できないが、日本人の国民性からいって、そういう通知が来たら検査を受ける人のほうがかなり多いのではないだろうか。
 
なんてことを思いながら、コロナの今後の対応についての私見をまとめてみました。
ウイルスの特性や感染のしくみをしっかり理解した上で、現実的な対応を考えるのが大事だと思っています。