日程調整は誰がやるべき仕事か

先日、2ヶ月後に控えるイベントに関して進捗が思わしくないので、担当の管理職に電話会議をしようともちかけた。
日程的にFace to Faceのミーティングが難しかったので、私は会社で使っているデジタルベースのスケジュール帳を確認して、「この日でどうか」と日程を提案した。
すると、その管理職からは「その日は来客や営業の外回りが入っていて難しい」とだけ返ってきた。
 
ここで人間関係と今回の状況を簡単に整理しておきたいのだが、私が社長(40代前半)で、その相手は50代の営業担当管理職である。職場自体は離れているので、フラっと打ち合わせというわけにはいかない。その管理職は今回のイベントの責任者なのだが、今月の下旬にはいろいろな発注もしなければならないので、あと1週間くらいで具体策を固めなければならないという状況であった。
 
そこで話は戻るが、その管理職から返事で、私はカチンときた。
私のサポートが不要ということであれば、そう言ってもらえればいいのだが、どうもそうではなさそうだ。
本人にはとくに悪気はなく、単純にその日の日程の調整がつかないというだけのようだ。しかし、こちらからするとその日程の調整は誰がやるべき仕事か、と思ってしまう。
せめて、その日の調整がつかないようであれば、ここはどうかという対案の打診があってしかるべきである。
 
と愚痴になってしまってたが、こんなことを考えていると、先日も紹介した田端信太郎氏の『これからの会社員の教科書』に同じような話があったのを思い出した。
「日程調整は「パズル」の如く」というパートで、ここにあった田端氏のエピソードを紹介しておきたい。
 
「日程調整」も、新人の腕の見せどころです。
新卒で入ったNTTデータ時代、「今週中の提案のために、A課長とB課長で打ち合わせをしなくてはいけないから日程調整をしてくれ」と先輩に言われたことがあります。ただ、2人とも忙しすぎて、どうやったって日程が合わないことがわかりました。(中略)ここで試されるのが「パズル」のように調整する力です。
ぼくは両課長の1週間のスケジュールを眺めながら、気づきました。ある日のあるタイミングでA課長は新宿から大阪に行くために、東京駅に移動する。同じタイミングでB課長は赤羽から羽田に移動する。「ならば、東京駅で2人は会うことができるじゃないか!」と。ちょうど「交点」が見つかったのです。2人には東京駅の喫茶店で会議をすることを提案し、事なきを得ました。
田端信太郎『これからの会社員の教科書』Chapter3「単純作業」に仕事の真髄がある より)
 
日程調整はそれだけ見れば単純作業かもしれないが、そこにどう付加価値をつけるかという意識は大事だと思う。場合によっては、けっこう創意工夫が求められる。
今回のケースでは、年配の管理職であっても、ちょっとだけ時間を使って、どこなら打ち合わせできるかを考えてほしかったなと思った次第である。
この話、結局は再度私がスケジュールを見渡しながら、ある日の朝の時間であれば1時間だけ時間が取れそうだったので、そこで電話会議をすることにした。
 
前の記事でも書いたが、この『これからの会社員の教科書』を管理職の課題図書にしていて、月末の会議で中身の議論をしたいと思っている。
田端氏は上司が若手社員に直接言えないことをこの本に書いたと説明されているが、私としては直接年上の管理職の言いにくいことを代弁してくれる内容になっているので、この「教科書」をフル活用していきたい。
 
ということで、今さら40,50代の管理職に新人に教えるような内容を説明し直さないといけないのかなと思いつつも、1つずつレベルアップさせていくしかないのかなと思い直したというお話でした。