スノーピークが提供する自然の中の「別荘」

去年2019年の夏、キャンプをはじめた。
正直なところ、子どものころからキャンプというものはあまり好きではなく、去年の今ごろは自分がはじめているとは思ってもみなかった。
なぜキャンプが好きではないのか。
BBQなどの準備や片付けがめんどくさい。寝心地が悪い。道具などをうまく整理できずごちゃごちゃするのがイヤ。などいろいろと考えられるが、それ以上にキャンプをやるという理由を見出すことができなかったのが一番大きかったのではないだろうか。
 
ところで、娘が小さいころから、自分の時間があるときは、嫁から娘を離して嫁に一人の時間をつくることを心がけてきた。ドライブに出かけたり、公園に行ったり、温泉に入ったりなど娘と二人で出かけては遊びに行っていた。のだけど、地方ということもあり、そのレパートリーがあまりなく、同じことの繰り返しになってきて、マンネリが否めなくなってきた。娘と二人で出かけて何かする、という枠組みの中で、新しい何かを(無意識に)探していたのであった。
 
そんな折、去年(2019年)GWだったが、ふと立ち寄ったスポーツ店でテントを見かけたのであった。スノーピークというブランドの「エントリーパックTT」というテントとタープがセットになった商品だった。そのセットが展示されており、それ自体かっこよかったのだが、それと同じくらい説明のパネルもよかった。横軸にテント、タープ、シェルター(居住空間と寝るスペースがいっしょになった大きめのテントと思ってもらえれば)があり、縦軸にエントリー、スタンダート、プロと品質別に整理されたパネルだった。そのデザインがかっこよくてわかやすいなと思ったことを覚えている。
 
そこで、娘と二人でキャンプに行けばいいのでは!と思い至り、生まれてすぐのひなのように完全に「刷り込み」が効いて、それからはスノーピークの情報収集に余念がなかった。
その後、8月にはこのスノーピークが主催する「手ぶらキャンプ」なるものに参加、さらには近くのキャンプ場でテントとタープを借りて娘との1泊キャンプを試みた。
そんな準備期間を経て、とあるスポーツ店でキャンプ道具20%OFFというセールをやっていたのを機に、ついにキャンプ道具を一式を購入してしまった
 
そんなこんなで、2019年夏にキャンプをはじめて、年末まで6回、計7泊のキャンプに行ってきた。
まだまだ設営や撤収には時間がかかり要領を得ないが、娘と二人の時間も楽しいし、娘が寝てからの一人で焚き火を見つめる時間は何にも代え難い。
(ちなみに、片付けはやはり面倒なので、BBQとか手のこんだ料理はせず、美味しそうなお惣菜を買って食べている)
 
さて、前振りが長くなったが、この「スノーピーク」というブランド。このブランドが提供している価値について思いついたことをまとめておきたい。
このブランドの商品は品質が良く、永久保証しているのが特徴である。また商品開発のストーリーを共有したり、ユーザーが集まるイベントを開催したりと、ファンづくりにも余念がない。その分お値段も高めなのだが、ネットなどで情報収集する限りでは、皆喜々として対価を支払っているように見える。
 
自分で商品を買ったり、いろいろな情報を見ていて感じたこととして、このブランドが提供しているのは、いわゆるキャンプ道具ではなく、自然の中の「別荘」なのだということである。
不便を楽しむのがキャンプであると言われるが、不便と不快は違う。スノーピークの商品を使ってのキャンプも(家での生活に比べると)不便なのだが、快適なのである。食事をしているときも、寝ているときも、ちょっと不便ではあるが、不快ではなく快適なのである。
そんなちょっと非日常な、ちょっと不便だけど不快ではなく快適な、自然の中の「別荘」という空間をスノーピークは提供しているのである。
 
余談だが、私がスノーピークの商品の特徴として感じることが、携帯性と機能性がバッティングしたら、後者を優先させるということである。
スノーピークの商品は基本収納性に優れていて持ち運びも便利にできているが、機能的に必要だと判断すると携帯性よりも機能性を優先させている。その一例として「焚火台」が挙げられる。他社からは軽くて携帯性に優れているものが多数販売されているが、スノーピークの焚火台は正直重たい。ただ、これは安全面を考えると譲れないという考えのもとつくられているようで、また「別荘」という価値から考えると、軽くて小さなものではなく、しっかりとした安定感の中で焚き火を楽しんでほしいと考えられているのであろう。
 
とこんな感じで振り返ってみると、私がキャンプをしない理由が「不快」であり、それがスノーピークの商品で(ある程度)なくなっていることに気づいた。キャンプをやる理由がみつかり、やらない理由がなくなったのである。
 
そんなこんなで、今年も娘と10回くらいはキャンプに行きたいなと、新たに目標設定をした、意識の高い新年4日目の話でした。