国内線のフライトに見る、固定費をかけてしまったからといって無駄なサービスはしてないけないという話

先日、家族旅行で飛行機の国内線を利用した。嫁と娘(3歳)と私の3人で利用して、フライト時間は約1時間半だった。
事件は、離陸して高度が安定してきたに起きた。ちょうど、うとうとしてきただったのだが、CAが機内サービスのドリンク提供をはじめたのだった。
「おやすみのお客様にはドリンクの提供は行いませんのであらかじめご了承ください」とアナウンスしていたが、このアナウンス自体と忙しく仕事されたせいで、目が覚めてしまった。
昭和の時代ならまだしも、モノをもらってもたいしてうれしくないこの時代、ドリンクをもらうよりもうとうとしながら目的地についたという体験のほうがよっぽど価値があると思う。
要は、国内線はせいぜい2時間くらいのフライトだから、ドリンクの提供はいらないということである。
 
ついでに言うと、子ども用のおもちゃも正直いらない。子どもが落ち着いているときは放っておいてほしい、というのが親の本音である。絵本も持ってきてくれたが、親からすると読み聞かせしないといけなく、1回であればいいが、2回3回もねだられると疲れてしまう。なので、子どもの対応もグズったときにサポートしてくれるくらいでいい。
 
さらに余談だが、(あまり使わないのに文句を言うのもなんだが)国際線の食事はどうしたらこんなにまずくなるのかいつも不思議に思う。給食センターの食事なみでいつも不快に思う(1回だけオーバーブッキングでビジネスクラスに乗ったことがあるが、ビジネスクラスの食事もたいしたことなかった)。
 
そう、基本飛行機のサービスは過剰である。食事も飲み物も必要であれば自分で自分の好きなものを準備すればいい。
 
では、なぜこんなに過剰なサービスになってしまうのか?
詳しくは知らないが、推測するに、安全上法的に必要な乗務員が決まっていて、ある一定以上の人数の人間が搭乗しないといけないのだけど、安全上問題が起こることはほとんどないので、通常のフライトであれば手持ち無沙汰になってしまう。だったら、ただ座っておくのももったいないので何か仕事をさせようということで、それでドリンクを提供したり、(まずい)食事をもってきたり、不必要に客のご機嫌を伺ったりと、過剰なサービスになってしまうのではないだろうか。
 
しかし、それが結果として顧客満足度を下げることにつながっていることにそろそろ気づいたほうがいいと思う。
おそらくCAとしても、何かしていないと仕事をしていないと思われてしまうという感覚があると思うが、CAの仕事してますアピールは顧客には必要ないのである。
わざわざ手渡ししてくれるドリンク提供よりも、(CAは何もせずに)うとうとしながら目的に到着できることのほうが満足度が高いのである。
 
ということで、(少なくとも国内線では)CAは何もしなくていいと思う。あくまで安全上問題あったときの要員という基本の仕事さえしてくれればいい。
それだとこれまであったサービスがなくなってクレームを言う客が出てくるというのであれば、搭乗時に紙パックでもペットボトルでもドリンクを用意しておいて、必要な人にそれを配ればいい。
他のちょっとした頼みごと(ブランケッドをもってきてほしいなど)やトラブルがあったときは、居酒屋にある注文のときのボタンみたいなのを置いて、それを押してもらい、必要な人にサービスを提供してくれるというくらいでいいと思う。
 
とここまでいろいろと文句を言ってきたが、経営者の視点で考えてみると、固定費をかけているから遊ばせておくのはもったいないということで、顧客が(本当は)望んでいないサービスを提供してしまっているということは多々あるように思う。さらにそれが既得権のようになって今さら止められないということも。
こういったサービスは表面的には喜んでもらっているように見えるので(CAのドリンク提供と同じで、ドリンクいりますかいりませんか?と聞けば、多くの人はいると答える)、いざやめようと思うと社内外から大きな抵抗にあうと思う。それでも本当に顧客が望むことを提供していくように改善を進めないと企業の未来はない。
 
仮に従業員が遊んでしまったとしても、顧客が(本当は)望んでいないサービスは止める!、そういった強い気持ちをもって自社の製品・サービスを再確認をしないといけないな、と思ったフライトのお話でした。